日本ハム中田が31号ソロを放った。1点を追う8回に同点に追い付く値千金の1発で、本塁打キング争いを繰り広げる楽天浅村の目の前で15年の自己記録30本を更新し、肩を並べた。リーグトップの打点も103に伸ばして打撃2冠に再浮上。9回に打ち上げた飛球で適時失策を誘い、決勝点もチームにもたらした。

14時開始のデーゲームながら、すっかり日も暮れていた8回。中田の力強い打球は、カクテル光線に照らされて左翼席へ飛び込んだ。「完璧でした」。手応えたっぷりの感触で放ったソロは、プロ13年目で“レベチ”な31歳となって初めて刻んだ31号。「別に…どうでもいいという言い方をしたらアレですけど、今はもう、それどころじゃないというか。最後までしっかり戦う姿勢を見せられれば。これだけ1位とも距離(ゲーム差)が離れたのは僕たち選手の責任」。優勝を逃し、5位に沈む現状への悔しさが先にある。

ヒーローインタビューでは、花火打ち上げイベントを待つ楽天ファンの前で、大阪桐蔭の1年後輩でもある浅村とのタイトル争いを問われた。「浅村も本当にすごいバッターなので。負けないように頑張りたいなと思います」。敵地で拍手が起きた。【木下大輔】