増田達至が33セーブを挙げ初のセーブ王に輝いた。1点リードで登板した8月15日楽天戦と10月20日ロッテ戦で同点に追いつかれ、セーブ失敗は2度あったものの、黒星はなかった。シーズン30セーブ以上で無敗は97年佐々木(横浜)09年武田久(日本ハム)に次いで3人目。佐々木は最優秀救援(38セーブ、3救援勝利)武田久、増田は最多セーブと全員がタイトルを手にした。無敗で救援タイトルはこの3人と最優秀中継ぎの06年藤川(阪神)20年祖父江(中日)しかいない。防御率は佐々木の0・90、武田久の1・20より悪かったが、抑えで重要なのは防御率よりリードを守ること。佐々木はセーブ失敗が4度、武田久は5度あり、セーブ成功率は3人の中で増田の9割4分3厘が最も高い。

コントロールが良かった。与えた四球は敬遠1個を含む10個で、与四球率が1・84。今季、30試合以上投げたパ・リーグの救援投手で与四球率2・00未満は増田しかいない。セーブ機会で登板した35試合の与四球はわずか5個。全48試合中、最初の打者を四球で歩かせたのは、セーブ失敗の10月20日ロッテ戦の安田だけと、簡単に四球を出さないことで黒星をなくし、セーブ失敗も少なかった。

増田の与四球率2・00未満は15、19年に次いで3度目。まだセットアッパーの15年は42HP(40H、2救援勝利)で最優秀中継ぎのタイトルを獲得し、抑えの19、20年は2年連続30セーブ。制球力と成績が直結するタイプで、最優秀中継ぎとセーブ王の両方を獲得は藤川(阪神)武田久、平野(オリックス)に次いで4人目となった。来季は制球力をさらに磨き、黒星とセーブ失敗が両方0の究極のセーブ王を狙いたい。【伊藤友一】

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