阪急阪神ホールディングス(HD)の角和夫会長(71)がこのほど共同通信のインタビューに応じた。阪神で複数の新型コロナウイルス感染者が出たことを深刻にとらえ、球団運営には「野球は阪神(電鉄)がやる」と一貫した姿勢を強調した。

-20年は順位を1つ上げて2位だった

角会長 (開幕当初は)悲惨なスタートの切り方だった。お客さまに申し訳ない思いをかけたかなと思う。(巻き返して)いい面もあった。ただ、シーズン前に(コロナ)罹患(りかん)者が出て(シーズン中にも)再発をさせてしまった。これは厳に反省しないといけない。

-藤原崇起オーナーが球団社長を兼任する球団初の運営体制となった

角会長 自分で現場を見て、肌で感じて、最終決定をするというのは非常にいいこと。上の2つ(オーナーと社長)が一緒になって(その下に)球団本部長がいる。本部長の役割が重要になる。

-無観客で始まり、入場制限で甲子園球場の観客最多は2万1392人。苦しい1年だった

角会長 幸い、お客さまには感染者、クラスター(感染者集団)は出ていない。お客さまに迷惑を掛けないように、細心の注意を払うこと(が大事)。

-阪急と阪神は06年に経営統合。タイガースへの関わり方に変化はあるか

角会長 それはない。あくまでもタイガースは阪神タイガース。株主総会で阪急タイガースにしないのかと言う人もいたが、それは全く考えていない。エンターテインメント(事業)の中で、宝塚(歌劇団)は阪急がやる、野球は阪神がやる。

-コロナ禍の中、スポーツ、芸術が果たすべき役割は

角会長 人間は衣食住が事足りたら幸せかと言ったら、そうではない。プラスして文化とか芸術とか、そういうものがあって初めて人生が豊かになる。われわれは可能な範囲で、できる限りのことをやろうということ。

-21年のチームに

角会長 優勝と言いたいところだが、ファンの気持ちを大切にしてほしい。いい試合をすることが最大のファンサービス。