マー君のハートを射抜く。日本ハムのドラフト1位伊藤大海投手(23=苫小牧駒大)が17日、母校・駒大苫小牧の大先輩、楽天田中将大投手(32)との初対面を心待ちにした。対外試合初登板を予定する20日楽天との練習試合(金武町ベースボールスタジアム)は田中将が先発予定。後輩としてのあいさつは登板後となりそうだが、先にインパクト十分の投げっぷりで「僕の存在に気付いてもらえたら」と意気込んだ。

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登板3日前の練習を終えた伊藤は早くもワクワクしていた。「そういうチャンスがあればなと思っていたんですけど、いきなりそういうチャンスが巡ってきた」。名護キャンプ休日だった15日。2番手以降で今キャンプ2度目の実戦登板を予定する20日楽天戦で、田中将が先発に内定したニュースが飛び込んできた。「そうなるようになるというか、そういう巡り合わせってあるんだなとは思います」と不思議な縁を感じながら、心に決めたことがあった。

伊藤 駒苫では「気持ちで負けるな」とずっと言われていたので、それだけはずっと忘れずに、どんな時でも思っている。それで、僕の存在に気付いてもらえたらなと思う。

今回が大先輩との初対面になる。本来なら球場到着後すぐにあいさつをしたいが、ともに登板前の準備もあるため難しいことが想定される。ならば、あいさつ代わりにマウンド上で時に声を出しながら投げる、気迫あふれる投球スタイルを披露するつもり。「僕が高校を決めた理由の1つ」と田中将にあこがれ、同じ道を通った後輩として、存在をアピールする構えだ。

チャンスがあれば、大先輩の懐に飛び込む準備もできている。1月末に大先輩の日本復帰の一報を聞いた時は「積極的に“後輩の特権”を使わせていただくのもアリなのかな」とし、真っ先に「スプリットを聞きたい」と話していた。初志貫徹でこの日も「(スプリットを)聞きたいですね」とニヤリ。もちろん、大先輩の投球も「いろんな角度から見たい。後ろや横からも。自分のためにもなる時間にできたら」と目に焼き付ける。

ここまでの自身の調整も順調。20日の登板でテーマとするのは「相手打者より、まずは自分の投球をできるかどうか」と設定した。ずっと追いかけてきた大きな存在の前で、開幕へ向けた自信を積み重ねる登板にする。【木下大輔】

◆駒大苫小牧出身のプロ 06年高校生ドラフトの楽天1巡目で入団した田中将大のほかに高校から直接NPB入りは、94年ドラフトで横浜6位の加藤謙如(のりゆき)外野手がおり、95~00年まで在籍。大学経由では、道都大(当時)の大累進内野手が12年ドラフト巨人2位で入団。日本ハムに移籍後、18年までプレーした。20年ドラフト組では伊藤大海のほか、駒大・若林楽人外野手が西武4位指名で入団。田中将の同期、鷲谷修也外野手が09年にMLBナショナルズからドラフト14巡目指名を受け、10年6月まで傘下のルーキーリーグに在籍した。

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