打撃好調の中日根尾昂内野手(20)が、ワンサイドで大敗したソフトバンク戦で一際の存在感を放った。

12点ビハインドでも集中力は全く切れない。8回1死二、三塁。3番手川原の初球を見逃さなかった。外角低めの149キロの直球を強振。打球は三遊間を破り、チーム初得点を刻んだ。

「(川原さんは)全然打っていないはず。めっちゃ覚えてますもん。三振しているイメージしかない。僕の前の加藤さんが粘っていたので、僕のときは甘く入るかなと。ラッキーと思いながら打席を待っていました」。昨季まで2軍で川原には4打席4三振。天敵攻略で、成長を見せつけた。

遊撃1本を宣言し、沖縄キャンプで京田に挑戦。OB立浪臨時コーチの打撃指導を吸収し、2月の対外試合は8試合で打率3割4分8厘の好成績を残した。首脳陣は出場機会を増やそうと、2月28日に左翼守備を指令。そしてこの日、今年初の左翼スタメンで2度の守備機会も無難にこなし、攻守で期待に応えた。

「出場機会をもらえているので、アピールするだけ。ダメだったら終わり。あと1カ月開幕まであるが、変えずにやりたい。もっと打ちたい。物足りない」。遊撃との併用でも、貪欲にチャンスに食らいつく。

与田監督も高評価だ。「見事。相手投手の心理も含め、いろいろ考えて打席に入っていた。チャンスで初球で仕留めるのはウチがやりたいこと。すごく良かった。どんどん使う」。プロ2年間で1軍2安打だった根尾はもういない。初の開幕1軍、一気のスタメンも見えてきた。【伊東大介】

▽中日大島(6回にチーム初安打となる左前打)「まだまだです。しっかりと状態を上げられるように準備します」

▽中日武田(8回に川原からチーム2本目の中前打)「結果にこだわって、ヒットが打てるように準備していきたい」

▽中日笠原(2回途中4安打5四死球6失点で降板)「自分の投球をすることができませんでした。(2イニングとも)先頭打者を出して、慌ててしまった」

▽中日清水(3番手で3者連続三振を含む2回無安打無失点)「目の前の打者を抑えることに集中して投げた。自分のエラーや四球で流れを悪くしたことが反省です」

▽中日木下雄(4番手で1回を1安打無失点)「0で帰ってくるという結果を求めて投球しました」

▽中日祖父江(今年の1軍初登板で1回無失点)「緊張したけど、キャンプでやってきたことが少しは出せた。継続して成長したい」