パワーの源は、自主トレで励んだ“縄跳び”にあり-。先輩たちに先駆けて、若い力が爆発した。3番に座った日本ハム野村佑希内野手(20)が、6日巨人とのオープン戦(札幌ドーム)で“チーム1号”となるソロ本塁打。6回、巨人の2番手、畠世周投手(26)の変化球を強振し、左中間席へアーチを架けた。4回にも二塁打を放つなど、魅力の長打をいかんなく発揮。2季連続の開幕スタメンへ、視界良好だ。

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日本ハム野村はニコリともせず、ダイヤモンドを一周した。6回の第3打席、1死走者なし。巨人のローテーション投手、畠の2球目、変化球を強振した。はじき返された打球は、ピンポン球のように最深部の左中間席へ。「変化球を狙っていたわけじゃないけど、高さで甘いところに来たら、思い切りいこうと。ああいうところに打てるということは、去年よりパワーがついたんじゃないかなと思う」と、無表情で喜びを口にした。

パワーの秘訣(ひけつ)は、オフに先輩の杉谷、清宮、郡と行った合同自主トレにある。重さの違う5種類の縄跳びを使って、1分飛んで30秒休むというのを繰り返した。最後は全員で1分間の大縄跳び。“縄跳びダンス”で昨年ブレークしたアイドル「NiziU」をもじったのか「『NiziUプロジェクト』っていうやつです」と野村。「肩、腕周りや体幹が鍛えられたんじゃないかなと思います」。話しは面白いのに、やっぱり無表情。それがまた、魅力でもある。

まだ、20歳。マウンドで火花を散らした吉田、巨人戸郷と2人の同級生に触発されたかのように、バットであふれる才能を見せつけた。「(戸郷は)同級生だし、活躍している。負けたくない気持ちもあったし、輝星(吉田)が投げていたので。輝星が『勝ちたい』と言っていたので、援護点じゃないけど、何か点が取れたらいいなと思って打席に入った」。先頭の4回にも左翼線へ二塁打を放ち、この日、2安打1打点。「ずっと(状態が)悪かった」という栗山監督の心配を吹き飛ばした。

2季連続、三塁で開幕スタメンを狙う若手の超有望株。それでも「毎打席が勝負。これから、どんどんアピールしていけたら」と慢心は一切なかった。【中島宙恵】

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