日本ハム近藤健介外野手(27)が、起死回生の同点弾を突き刺した。25日オリックス6回戦(札幌ドーム)の1点を追う9回、左越え4号ソロを放った。

今季5試合目の「4番」に座り、4試合ぶりのアーチ。チームは4カード連続で勝ち越しとはならなかったが、価値ある引き分けに持ち込んだ。

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「4番近藤」が、意地の詰まった一撃を突き刺した。1点を追う9回。打者有利のカウント3-1になり、肩の力を抜いて振り切った。「ツーベースくらいを狙う感じでいきました。入るな…という気はしました」。打球は伸びていき、左翼席に飛び込む同点の4号ソロ。「コンちゃんスマイル」で何度も拳を握った。

悩める4番に代わり、仕事を果たした。4試合ぶりの1発。不動の4番中田が不振で定位置を外れている中、近藤は「4番」で5試合に出場。「『つなぐ4番』を心掛けています。チャンスで回ってくることが多いので、あらためて中田さんの存在は大きいと感じています。『4番中田』が、一番いい形だと思う」と主砲の復調を待った。

今季4本塁打中、3本塁打は逆方向へ飛ばしている。キャリア最多は18年の9本塁打で、例年以上にハイペース。「本塁打を増やそうというよりは、長打を打とうとキャンプから強いスイングを心掛けてきた」。打率2割5分9厘、23三振には納得しておらず「そういうところも上げないと」と言う。

栗山監督は、起死回生の1発に「助かりましたよね。本当に、救ってくれた」と感謝。一方で「追いついて、一気に行きたかったんだけどね」と、反攻の芽を生かせなかったことを悔やんだ。26日は栗山監督の60歳の誕生日。近藤は「勝たせてあげたかった。何とか引き分けになったので、切り替えてやりたい」と次戦でのバースデー白星を誓った。【田中彩友美】

▼日本ハム金子(9日以来今季2度目の先発で5回7安打1失点)「3者凡退のイニングが少なく、リズムの悪いピッチングになってしまったことが反省点です」

▼日本ハム浅間(1回に右前適時打)「初回のチャンスでしっかりとランナーをかえせるヒットが打てたのはよかった」