<東都大学野球:亜大4-1東洋大>◇第6週第1日◇6日◇神宮

いきなり1点を失っても、亜大・松本健吾投手(4年=東海大菅生)は、すぐに切り替えた。「ここから0に抑えれば、野手が何とかしてくれる」。初回先頭、東洋大・松本渉に三ゴロを打たせたが、味方が失策。1死二塁とされ、佐々木に右翼線へ適時二塁打を打たれた。だが、嫌な立ち上がりを引きずらない。2回以降は0を続けた。すると、打線が5回以降に得点を重ね逆転した。信じたとおりの展開で、2安打1失点完投。今季3勝目を挙げた。

最速147キロ右腕は、今秋ドラフト候補に挙がる。生田勉監督(54)は「初回はエラーから。しょうがない。うちは、松本しか柱になる投手はいない。勝とうが、負けようが、4年生の意地を見せてくれと。上出来です」とねぎらった。好投を引き出したのは、高校時代から知る小山翔暉捕手(2年=東海大菅生)だ。試合前、2人で「変化球一辺倒にならないようにしよう」と確認した。140キロ前後の直球と変化球のコンビネーションで、丁寧にゴロを量産した。

松本健は「(小山は)投げたいサインを出してくれます。強気のリードもしてくれます」と感謝した。6回の勝ち越し打は、その小山が打ってくれた。後輩捕手は「狙ったところに投げてくれます」と先輩右腕を持ち上げた。東洋大とは4勝4敗同士だった。昨秋からの連覇の目は消えたが、5勝目で入れ替え戦回避へ大きく前進。貴重な白星をもたらした。【古川真弥】