東京オリンピック(五輪)の野球・ソフトボール会場になっている横浜スタジアムで9日、DeNA-阪神戦の試合中に火災が発生した。

現場は三塁側ベンチ裏につながる球場駐車場内。8回裏のDeNA攻撃中だった午後5時ごろに通行人から通報があり、消防車15台が出動するなどして約25分後に鎮火した。煙が三塁側ベンチ内に侵入して試合が一時中断したが、大きな混乱はなく事態は収束した。

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午後5時すぎの横浜スタジアムで、けたたましく非常ベルが鳴った。8回裏のDeNA攻撃中の出来事。横浜市消防局によると、三塁側ベンチ裏通用口近くの駐車場内で火災が発生。現場付近を通りかかった通行人から「ゴミが燃えている」と通報があり、消防車15台にパトカーも出動。グラウンドでは1点差を巡る攻防が繰り広げられていた最中、迅速な消火活動によって約25分後に鎮火した。

ただ、この火災によって試合進行は若干の影響を受けた。8回が終了した直後、三塁側ベンチが慌ただしくなった。阪神ナインはベンチ裏へとつながる通路から離れ始め、一部の選手らはグラウンドへ飛び出した。矢野監督によると「煙たかったから。外の何かがちょっと燃えたんちゃうかという感じやった。ベンチ内も風が通るというか、そこで煙が入ってきたからベンチから離れていたんだけど」と、一時避難していたことを明かした。当時の球場付近は約7メートルの強風が、火元から三塁側ベンチ方向へ吹いていたため、煙がベンチ裏の通路を抜けてグラウンド内に侵入したもよう。一時的に試合は中断した。

DeNAによると、関係者駐車場入り口周辺の球場外周フェンスと、五輪用仮設オーバーレイフェンス(球場敷地外)の間にあったゴミが何らかの原因で出火したという。詳しい原因は警察や消防が調査中だが、幸いにも、けが人は出なかった。詰めかけた1万5427人観衆も大きな混乱なく帰路に就くことができたが、東京五輪で野球・ソフトボール会場となる場所での一大事になりかねないアクシデント。徹底的な原因究明とともに、再発防止策も必要となりそうだ。