阪神4番の佐藤輝明内野手(22)が、メモリアルゲームでもみせた。3点を追う4回無死一塁の第2打席、小笠原の内角高めの直球を振り抜くと、打球は右翼方向へ高く舞い上がった。右飛に打ち取られたか…と思いきや、いつもの浜風とは逆の追い風に乗ってぐんぐんと伸びた。右翼手ガーバーの頭上を越えて、フェンスを直撃。一塁走者マルテも右飛と思ったのか、慌てて三塁へ走りだすと、佐藤輝も二塁へヘッドスライディングで到達した。

またも課題とされた内角高めを仕留め、味方もだました? 驚きの“通天閣打法”で、無死二、三塁と好機を拡大。6番ロハスの二ゴロ間の間に1点をかえすと、続く梅野が中前適時打を放ち、1点差に迫った。「中軸がしっかり打てばチームも盛り上がると思う」と4番への思いを話していたが、その一打が中日優勢のムードを変えた。

守備でも救った。6回走者なし、木下拓の三塁線への鋭い打球に反応すると、本塁側に背を向けながら逆シングルでキャッチ。落ち着いて体勢を戻すと、一塁へワンバウンド送球。粘投を続ける先発西勇を助けた。

3打数1安打1四球。これで4番に座った5試合は18打数6安打、打率3割3分3厘となった。6番時の打率2割5分9厘と比べても、主軸としての働きぶりは明らか。主砲の大山が背中の張りで6日に出場登録を抹消されてから、これで4戦連続4番で出場。重圧をものともせず、期待に応えるように勝負強さが一層光り始めた。

この日は、阪神-中日の通算2000試合目。週末の巨人3連戦も通算2000試合を迎えるが、もう1つの「伝統の一戦」でも、強烈な存在感を発揮した。無観客はこの日までで、12日からは有観客試合が再開される。「久しぶりに甲子園でお客さんが入るんで、見に来て良かったと思ってもらえるようなプレーを見せたいです」。そう意気込んでいた通り、豪打でファンを沸かせる。【磯綾乃】

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