真昼に行われる2軍戦の取材はとにかく暑い。気温25度を超す大阪・舞洲のオセアンBSで1日取材をしていると、肌が真っ赤になり、お風呂に入るのも一苦労。現場に駆けつけた阪神津田広報も、虎番の記者から日焼け止めを借りていた。そうでもしないと、乗り越えられない日差しが照りつけていた。

そんな13日のウエスタン・リーグのオリックス戦に、甲子園でのナイターゲームを控える1軍選手たちも当然のように参加していた。「1番遊撃」に木浪、「3番中堅」には板山。同日1軍での中日戦(甲子園)の7回、代走で2試合連続で二盗を決め、同点のホームを踏んだ“陰のヒーロー”熊谷敬宥内野手(25)も「7番右翼」で先発出場していた。6回に左前打を放つと、7回の守備から退き、甲子園へ向かった。

この「親子ゲーム」を平田2軍監督は「打席機会が上では少ないから」と説明する。言葉では簡単だが、ハードワークなのは事実。昼の11時前には球場入りし、帰宅はナイター後のまさに、野球漬けの生活だ。近年の“働き方改革”とは逆をいくかもしれないが、この積み重ねが、土壇場で結果を残すことができる勝負強さにつながっているのだと思う。

熊谷は大仕事を果たしても「自分があの場面でしっかりやれることをやるだけだと思っていたので、それがいい形になったのは僕としても良かったです。これを継続していけるようにやっていきたい」と冷静だった。その顔は、昼の勲章とも言える“小麦色”にほんのり焼けていた。【阪神担当=中野椋】