日本ハム金子弌大投手(37)が18日、楽天10回戦(楽天生命パーク)で史上91人目の通算2000投球回を達成した。5回途中2失点で降板し、チームも敗れたが、14年沢村賞など数々の偉業を成し遂げてきた百戦錬磨の右腕がまた1つ節目を飾った。

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百戦錬磨の右腕に、新たな称号が加わった。小雨が降り始めた1回。金子が、持ち味全開で節目に到達した。2死から一、二塁を背負った。フルカウント勝負で7球目、内角低めいっぱいを突く直球144キロで茂木を中飛に打ち取った。1回を投げきり、試合成立した時点で通算2000投球回に到達した。

金子 プロに入った時は、まさかこんなに投げられるとは思いませんでした。今まで僕を使っていただいた監督、投手コーチ、体のケアをしていただいたトレーナーの方々、そしてここまで携わっていただいた全ての方々に感謝したいと思います。ここで終わることなく、まだまだできる限り投げ続けていきたいと思います。

球界屈指の投手として、一時代を築き上げた。オリックス時代の14年、沢村賞を受賞。同年に最優秀防御率、最多勝利、最優秀選手など6冠に輝いた。転機は18年シーズン後、自由契約となり日本ハムに移籍。「金子千尋」から登録名を変更し、円熟期を迎えての挑戦となった。「ルーキーという気持ちを持って、北海道のために一生懸命頑張りたい」と再スタートした。

移籍2年目の昨季は志願のリリーフ転向も結果を残せず、今季は先発に再転向した。「僕のわがままでチームに迷惑をかけた」と覚悟をにじませ臨んだ。この日は勝利投手の権利が懸かった5回。強まる雨の中、右尻ポケットに入れたロジンで何度も手を乾かしながら投げたが、1死満塁を背負って降板。リリーフが踏ん張れず、同点とされた。

終盤に勝ち越され、交流戦前最後の6連戦のカード頭を落とした。金子は「慎重に行こうとしすぎて、最悪の結果になってしまいました」と責任を背負った。栗山監督は「みんなで一生懸命やるしかない」と強まる雨の中、真っすぐに言い放った。【田中彩友美】

▼通算2000投球回=金子(日本ハム) 18日の楽天10回戦(楽天生命パーク)の1回、茂木を中飛に仕留めて達成。プロ野球91人目。初投球回はオリックス時代の06年4月12日西武3回戦(スカイマーク)。