慶大が19年秋以来3季ぶり38回目の優勝を果たした。今週は試合がなかったが、優勝の可能性を残していた立大が明大に敗れたため、最終週の早慶戦を待たずに優勝が決まった。

堀井哲也監督(59)は就任2年目、3季目で初優勝。1年目は2位、2位と、あと1歩が続いた。「学生に悔しい思いをさせてしまった。結果はしょうがないとはいえ、もうちょっと、うまくやったら何とかなったのではないか」。自問自答が続いた。迎えた2年目。昨年以上に、選手の力を信じた。「学生は、植え付けるまでは時間がかかる。ただ、一定の段階を過ぎると、ものすごく自分たちで考え、工夫する」。最初の確認作業は密にし、後は選手自身の手に委ねる時間を増やした。個々の力が開花するきっかけをつくった。

今季の強さを「1つは、投手。森田、増居の2人の先発がしっかり投げきってくれ、捕手の福井を含めたバッテリーの守備力が大きい。2つ目は、広瀬、渡部から、3番は変わったが、福井、そして正木、下山と上位打線が点を取る。必ずしもヒットじゃなくても。打順として機能している」と分析した。第6週終了時点で、森田晃介投手(4年=慶応)、増居翔太投手(3年=彦根東)はリーグ1、2位の防御率。チーム打率2割5分8厘はリーグ3位にとどまるが、総得点51は、チーム打率3割超でリーグ1位の明大と並ぶトップタイだった。安定した投手陣を背景に、打線は安打以外でも着実に得点を重ねた。

選手の力を信じた堀井監督の下、投打がかみ合い、開幕黒星からの7連勝で栄冠を手にした。【古川真弥】

 

▽立大・太田英毅主将(優勝を逃し)「今日、勝たないと、全試合の意味がないことは選手全員が分かっていた。今までにない悔しさがある。それを原動力に、秋は勝てるようにしたい」