日本ハムの新外国人ロビー・アーリン投手(30)が23日、西武9回戦(メットライフドーム)に先発し、5回5安打無失点で来日初勝利を挙げた。緩い変化球を巧みに操り、リーグ屈指の強力打線を翻弄(ほんろう)した。

来日後、最多80球で最長5回を投げ、2度目の先発で初白星をつかんだ。世界的に広がった新型コロナウイルスの影響で来日が遅れた技巧派左腕が、新天地で成功への1歩を刻んだ。

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海を渡ってやって来た技巧派左腕が、2度目の先発で本領を発揮した。日本ハムの新外国人アーリンが、得意のカーブを巧みに操り、強打の“山賊”たちを翻弄(ほんろう)した。打者19人に対して、初球ボールは3度だけ。“助っ人”と聞いて想像するような剛速球こそないが、圧倒的な制球力でストライクを先行し、主導権を握った。5回5安打無失点で待望の来日初勝利。「鶴岡さんのリードが本当に良くて、僕は配球に従って投げただけ。息が合った投球が見せられた」と、マスクをかぶったベテラン捕手に感謝した。

穏やかな口調の裏に、常識にとらわれず、わが道を貫く強さを秘める。3-0で迎えた4回2死二、三塁のピンチだ。走者を背負った場面で、セットポジションではなく、ワインドアップで打者に対峙(たいじ)した。これは、米国でのプロ1年目にコーチから授かった助言がきっかけ。「走者を気にせずに打者をアウトにすることだけを考えた時、ワインドアップの方が(アウトを)取りやすいと思った」。前日22日に逆転3ランを打っているスパンジェンバーグをチェンジアップで空振り三振に仕留めた。

新型コロナの影響で、来日は3月下旬。日本食は「焼き肉とラーメンがおいしい」と言うが、コロナ感染防止のため外食やテークアウトも避けているという。「リフレッシュ方法は野球。仕事をしているだけでリフレッシュ出来る」という生粋の“野球小僧”だ。愛称は「ボブ」は「シーズンは続いていくので、勝ちにこだわっていきたい」と先を見据えた。