“第2の故郷”仙台でも怪力を見せつけた。阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)が、6回に16号ソロを放った。楽天田中将から右翼席へ運び、5試合ぶりの1発。自身が持つ新人最多記録を更新する交流戦6本目の本塁打となった。

左打ちの新人で16本塁打は55年榎本喜八(毎日)84年小早川毅彦(広島)99年福留孝介(中日)と並ぶ。なお、左打ちの新人の最多は46年大下弘(セネタース)の20本で、2位は98年高橋由伸(巨人)の19本。新人全体の最多となると、59年桑田武(大洋)86年清原和博(西武)の31本となっている。新人最多本塁打へ折り返し地点まで来た。まだ80試合以上残っており、記録更新へ期待が膨らむ。

アーチを描きたい理由があった。前日11日に続き、宮城・村田町に住む父方の祖父勲さんと祖母美智恵さん(ともに82)が観戦。高校まで毎年、盆と年末に帰省し「テル」と呼ばれかわいがられていた。祖父母に「もっとホームラン、打点とかそういうのも見てもらいたいです」と誓っていた。近大時代の昨年10月にはリーグ記録を更新する14号、阪神入団後は3月27日ヤクルト戦(神宮)のプロ1号をいずれも生観戦で見届けた祖父母に、また最高の景色を見せた。

今試合で「5番右翼」での起用は5試合目。初戦こそプロ初の4三振でつまずいたが、その後は4試合連続安打で5番では初めての1発。杜(もり)の都でも怪力を見せつけた。【中野椋】

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