阪神佐藤輝明内野手(22)が、本塁打レジェンドの前で弾丸ヒットを奏でた。

西武や巨人、オリックスで通算525アーチをかけた清原和博氏(53)が伝統の一戦をテレビ解説。6点ビハインドの4回、強烈な安打を右前にはじき返した。新人最多本塁打は86年に西武清原がマークした31本で、あと11本に迫られた同氏も「確実に僕の記録は抜く」と称賛。佐藤輝も本塁打記録更新に意欲十分で、完敗試合で存在感を見せた。

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清原氏が佐藤輝に熱いエールを送った。大阪・カンテレの地上波テレビ中継などの中継解説として、覚せい剤取締法違反の執行猶予が20年6月に明けてから初のプロ野球解説を務めた。甲子園に姿を見せるとファンが集まり騒然とするなど存在感は健在だった。

「確実に僕の記録は抜くと思う。自分は18歳の子どもだったけど、佐藤選手は仕上がっている」。清原氏が西武時代の86年にマークした31本の新人最多本塁打記録まであと11本と迫るが、抜くと断言。「鍛えられた筋肉、スピード。三振を恐れず振っていく強さがある」とうなり、4月9日のDeNA戦で横浜スタジアムの右中間場外へ放った3号ソロについて「どう考えても、考えられない」とパワーへの驚嘆を明かした。

「東京ドームなら楽に40本打てる。甲子園は(左打者は)浜風がきつい」とも話し、「掛布さんやバースのように左中間へ打てば、甲子園で逆方向へ打てるように大きく気持ちを持てば、打率も上がるし三振も減る」とアドバイスを送った。現在の不振については「自分にイラ立ってボール球に手を出している。リラックスして立てば」と、メンタル的なものと分析した。

4回に右前安打が出ると「ああ、打ってくれましたね」と目を細めて打球を見届けた。本塁打後の「Zポーズって何ですか?」と実況アナウンサーに質問し、大好きなアイドルグループももいろクローバーZのポーズと聞くと「全然、顔と合ってないですね」と意外な一面を知って笑った。「空振りしただけでスタンドが沸く。小さくまとまらず大きく育ってほしい」と大打者への成長を期待した。昭和&平成のアーチストが令和のアーチストの姿を焼き付けた。【石橋隆雄】