後半戦の初戦を託されたロッテ二木康太投手(26)が、期待を裏切った。

初回2死後に吉田正に二塁打を許し、暴投もあって2死三塁。今季ここまで3被弾しているオリックスの4番杉本に2-1とボール先行となった。4球目に選んだのは外角低めのスライダー。きっちりと捉えられた。低く伸びるバックスクリーン弾に、ぼうぜんとするしかなかった。

「打たれてはいけない打者に打たれてしまいました。チームに勢いをつける投球ができなくて申し訳ないです。それ以上は何もありません」

VTRを見るようだ。3月26日、ソフトバンクとの開幕戦も初回、2番今宮に2ランを浴び、一気に流れを持っていかれた。二木自身はその後も流れをつかめず、前半戦は4勝4敗でリーグワーストの16被弾。もちろん、納得はしていない。

「開幕戦も、後半の開幕も任せてもらった投手がこんな成績じゃダメだと思うので、やらないといけないなという気持ちはすごく強いです」

登板前日には強い決意を口にしたが、試合開始のわずか6分後に粉砕された。杉本にはその後の打席で連続三振を奪ったが、井口監督は「打った後だったんで、そこは関係ないと思いますし。どう抑えるかだと思うんで」と厳しい。2回までで5安打4失点。5安打はいずれも、1ストライクの後をしっかり振られた。

「変化球が浮いてというところが多い。もうずっと今年続いてるので。しかもそれが本塁打になるケースがほとんど。球威で押す投手じゃないですから、逆にしっかりと丁寧に低めに、というところじゃないですかね。単打に関しては全然いいと思うので、本塁打を打たれるのが一番いけないところだと思います」

大きな期待で送り出しただけに、井口監督もいつも以上にばっさりと切る。

「失投は命取りになりますし、ああいうところをしっかり投げれないと週頭、カード頭に投げる投手としてはダメですね」

首位オリックスと2・5ゲーム差で迎えた3連戦。大事な初戦を、力で押し切られた。【金子真仁】