ヤクルト村上宗隆内野手が、2打席連発で両リーグ最速30号到達も笑顔はなかった。

2回先頭で打席に入ると、初球、久里の外角低め143キロ直球を強振。自身初の3戦連発となる先制29号ソロを放った。続く4回1死走者なしでは、フルカウントから内角カットボールを右翼席へ運び、19年以来の30号。金メダルに輝いた東京五輪後は4戦4発の量産モードに入り、史上最年少での通算100号まで残り5本に迫った。後半戦開幕から好調を維持。「これを続けていけるようにやっていきたい」と淡々と話した。

チームは6回に一挙5失点で逆転負け。念願の打撃タイトル獲得が近づいているが、「今はタイトルより優勝したいという気持ちが強いので、個人の目標は気にしていない」と敗戦の悔しさをにじませた。優勝チームの4番になりたいと決意して臨む今季。「とにかく1試合1試合集中していい打席を送れるようにやっていきたい」と鋭い目つきで球場を後にした。【湯本勝大】

▼村上が2本塁打を放ち、両リーグ最速の30号。ヤクルトで両リーグ30号一番乗りは、12、13年バレンティン、16年山田に次いで3人、4度目。村上は21歳だが、21歳以下のシーズンに両リーグ30号一番乗りは、中西(西鉄)が20歳の53年、21歳の54年に記録して以来、67年ぶり2人目。

▼36本塁打を打った19年は30号がチーム116試合目だったが、今季は87試合で到達。30号の球団スピード記録は13年バレンティンの78試合だが、日本人選手では04年岩村の91試合を上回る最速到達となった。

▽ヤクルト高津監督(逆転負けで連敗)「(6回に)ワンチャンスで4点差をひっくり返された。流れがガラッと変わってしまった。1点差を追いかける展開になったが、難しかったような気がします」

▽ヤクルト田口(6回に崩れ、5回0/3を5失点)「先制してもらってリズムを作ってもらったにもかかわらず、6回投げ切れず(2番手の)大下さんにも申し訳ないですし、野手の方にも申し訳ない気持ちです」