生き残りをかけて猛アピールだ。阪神メル・ロハス・ジュニア外野手(31)が左右の打席から来日初の猛打賞をマークした。まずは左打席。2回に右腕ロドリゲスの直球を左翼フェンスにぶち当て、4回にも左打席から左中間を破り、2打席連続の二塁打。6回には左腕福から、右打席では今季3安打目となる左前打を放った。「右でも左でもタイミングが取れていますし、自分の中のリズムも悪くない」と納得顔だ。

試合前のフリー打撃でも、左右で弾道が変わる。左打席では柵越えもあるが、右打席では逆方向へのライナーが目立つ。今季2発はいずれも「左」で、前半戦1安打に終わった「右」も覚醒間近。“2人”のロハスが本領を発揮し始めている。

矢野監督は試合後、ガンケルを先発要員として昇格させることを示唆した。2軍ではマルテが3試合連続安打で状態を上げており、登録5人、ベンチ入り4人の外国人枠争いは熾烈(しれつ)を極める。「みんな競争やからね。本人もやるしかないんで」と指揮官。後半戦打率3割1分のロハスは「勝ちにつながる一打が打てるように頑張っていきたい」と力を込めた。打ちまくって、1枠を勝ち取りにいく。【中野椋】