ソフトバンクが投打とも振るわず、西武に完敗した。打線は先発で初対戦の20歳の右腕、渡辺の前に5回まで無得点。2番手以降もとらえることができず、後半戦初、今季7度目の0封負けを喫した。工藤公康監督(58)は「的が絞りにくくて、なかなかつながらなかった感じはしますね」と厳しい表情を浮かべた。

あと1本が出なかった。初回に2死一、二塁の先制機を作ったがデスパイネが見逃し三振。4回1死二塁は中村晃とアルバレスが凡退した。6回も得点圏に走者を進めたが、得点できなかった。

投手陣も「ローテの谷間」笠谷が役割を果たせなかった。22日ロッテ戦で好救援してから中3日。5月27日中日戦以来の1軍先発だったが、初回につまづいた。2死から栗山に右前打され、続く中村に右越えの先制2ランを被弾。4回は先頭ブランドンに死球を与えると連打でさらに1点を失い、3回1/3で3失点KOとなった。「初回からリズムが悪い投球になってしまいました。中継ぎの時と同じ気持ちで投げていこうと思いましたが、打者に対して攻め切ることができませんでした」と唇をかんだ。

27日からは敵地で首位オリックスと3連戦。この日オリックスも敗れたため、勝てば3ゲーム差で直接対決を迎えられたが、悔やんではいられない。工藤監督は「直接、上のチームと当たる時はしっかり締めていかないと。ここでズルズル行っちゃうと、広げられる一方なのでね。そういう時こそ、しっかり集中していかないといけない」と引き締めた。残り45試合で4ゲーム差。逆転での4年連続日本一を目指し、正念場の戦いになる。【山本大地】