慶大のドラフト上位候補、正木智也外野手(4年=慶応)が今秋3試合目で初の長打と打点を記録した。初回2死三塁で明大・竹田の高め真っすぐ144キロを捉え、中越えに先制の適時三塁打。「もしかしたら、春までならタイミングはあっても、後ろへのファウルになっていたかも知れません。夏の取り組みの成果が出たと思います」と手応えを口にした。

今春リーグ戦で4本塁打。大学選手権でも2本塁打を放った。「何も変えない選択肢はありました。6本塁打で満足はできましたが、打率(リーグ戦2割5分7厘)には、まだまだ課題がありました。変える勇気を持ちました」と、打撃改良に着手。高めの甘いボールをどう打つかをテーマとした。

開幕週の東大戦は、チームが大勝する中、1回戦は無安打だった。2回戦も凡退が続き、8回の最終打席で、ようやく中前打を放った。「焦る部分は正直、ありましたけど、最後の1本で楽になりました」と打ち明けた。映像で見返し、構えた時のグリップの位置が上がりすぎていたのを修正。トップから打ちに行く際の無駄な動きを省き、最初の打席でテーマにした高めを捉えた。

この日も2四球。3試合で既に6四球と、リーグ屈指の大砲は警戒を受ける。それでも「四球はヒットと同じ。後ろにつないで、得点のチャンス」と前向きに捉える。終盤に点を取り合い、同点で終わった。10月11日のドラフトが迫る中「気にしないと言えばウソになりますが、まずは明日、どう勝つか」と前を向いた。【古川真弥】