独立リーグ、BCリーグ新潟アルビレックス・ベースボール・クラブの中園大樹投手(21)が11日のNPBドラフト会議で指名を待っている。

身長は168センチと小粒ながら、最速149キロの直球が持ち味。21年シーズンのリーグ戦では31試合(先発10)に登板し、2勝4敗、防御率4・38の成績だったが、複数の球団から調査書が届いている。ドラフト当日の午前中は普段通りに練習を行い、運命の時を迎える。

    ◇    ◇    ◇

リラックスした表情でトレーニングしていた中園だったが、強い思いを心の中に押し込めていた。「ドラフト指名されることだけを考えて練習している。『今年行くぞ』という気持ちです」とありったけの思いを口にした。直球の最速は149キロ。168センチの小粒な体も弱点ではなくストロングポイントだ。「低いところから伸びる球というイメージ」の直球を投げ、5月に覚えたフォークの精度も上がっている。

橋上秀樹監督(55)が中園を評した。「一番ストイック。自分に厳しい。NPBに行きたい、という明確なビジョンを持って練習してきた」。そんな姿勢が実を結び、BCリーグの「中地区投手部門」8月・9月月間MVPに選出された。同期間の成績は8試合2勝、防御率1・91。37回2/3を投げて34三振を奪った。マウンドでの心がけは「完全試合を狙い、四球を出したらノーヒットノーランに切り替え、ヒットを打たれたら1安打投球。常にいい投球を目指す」と明快だ。

メンタルとともにフィジカルも強い。何度も故障からはい上がり、向上してきた。大分・柳ケ浦2年春には右肘疲労骨折の手術。埋め込んだボルト2本の除去手術など高校で3度の手術を受けた。それでも高校では直球の最速は125キロから144キロにアップ。新潟入団1年目の19年5月には右肘炎症で最初は練習生スタートとなった。それでも所属3年目で複数のNPB球団が興味を示す右腕に成長した。「(元阪神の)藤川さんのような真っすぐで勝負できる投手になりたい」。次のビジョンも明確だった。【涌井幹雄】

◆中園大樹(なかぞの・ひろき)2000年(平12)8月2日生まれ、福岡県出身。大分・柳ケ浦高3年夏は決勝進出。先発で登板し、現西武の上間永遠(とわ)との継投。藤蔭に0-1と惜敗した。持ち球は直球とフォークにカーブ、スライダー。168センチ、75キロ。右投げ右打ち。血液型A。