巨人は1位指名が競合して抽選になった場合、くじ引き役は今村司球団社長(61)が務める。巨人で監督以外がくじを引くことになれば16年の堤辰佳GM(当時)以来、5年ぶりになる。

原監督は昨年までのくじ引きは通算1勝11敗で6連敗中。5日のスカウト会議後に「ちょっと雰囲気を変えようと。自分が引く運はあまりないかもしれないけど。待つ身は持ってるから『ぜひ社長お願いします』と。全員一致の中、そういう形になるということですね」と笑顔で語った。

今村社長は日本テレビ時代から“持ってる”敏腕テレビマンだった。スポーツでは巨人戦中継やボクシングヘビー級マイク・タイソンの世界タイトルマッチなどに携わり、「ザ! 鉄腕! DASH!!」「家政婦のミタ」なども制作。数々のヒット番組を生み出した。

NPBエンタープライズ社長として侍ジャパンの活動を支え、19年6月に巨人社長に就任。以降はドラフトの重要性を説きながら、自前のスターを育成することに主眼を置いてきた。

社長就任会見では「SEIKO(成功)」と自ら書き込んだフリップを持参。「『S』はサプライズ。人間の感動の原点って驚きだと思うんです。ワクワク驚かせてほしい」。「E」はエンターテインメント、「I」はインテリジェンス、「K」はカインドネス、「O」はオリジナリティーと、物づくりに懸ける思いを、理想のチーム作りに重ねた。巨人の社長として迎える3回目のドラフト。サプライズな“成功”といきたい。