広島が、3年連続Bクラスでシーズンを終えることが決まった。阪神24回戦(マツダスタジアム)の開始前に、3位巨人が勝利。最大15ゲーム差あった巨人に一時は2・5ゲーム差にまで迫ったが、奇跡は起こらなかった。試合は優勝争いする阪神相手に、今季12度目の引き分け。佐々岡真司監督(54)の就任2年目もシーズン終盤に追い上げは見せたが、Bクラスという結果に終わった。

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プレーボールを待たずに、逆転CSの可能性が消滅した。それでも広島ナインは先制点をもぎ取り、先発森下は熱投。同点に追いつかれても、8回まで133球を投げ抜いた。9回は島内が踏ん張り、最後の攻撃は2死から得点圏に走者を進めた。ただ、勝利には1歩届かなかった。今季12度目の引き分け。静かな終幕となった。

佐々岡監督 これは本当に僕の力不足だったと思います。厳しい戦いがあった中で、昨年に続いてBクラス。ファンのみなさんに申し訳ないという気持ちです。

河田ヘッドを迎えた佐々岡体制2年目も、シーズン序盤から下位に低迷した。交流戦前の5月下旬には、チーム内で新型コロナウイルスのクラスターが発生。主力の負傷時期と重なり、苦しい戦いを余儀なくされた。5月18日以降の20試合は4勝13敗3分け。上位球団に大きく引き離された。

外国人選手が振るわない誤算はあった。ただ、打線の輪郭をつくるまでに時間を要し、栗林という絶対的な守護神を擁しながらも、今年も最後まで勝ちパターンを確立できなかった。

その中で、出場機会を得た林が台頭。高卒3年目では12年の堂林以来となる2桁本塁打を記録した。昨季出場はわずか3試合の小園も遊撃手のレギュラーをつかみ、規定打席をクリアした。若手の成長がチーム力を底上げし、9月以降は23勝17敗2分け。最大15ゲーム差あった3位巨人に、一時は2・5ゲーム差にまで迫った。

佐々岡監督は「(終盤は)いいプレッシャーの中で試合をできて、力がついてきていると思います。残り4試合、同じ気持ちでファンに最後までいいゲームを見せるつもりでプロとしてやっていきたい」と、勝利にこだわる姿勢を貫く。昨季も終盤に盛り返したように、今季も反撃に転じたのが遅すぎた。選手の成長も、チームの成長も積み重ねが大事。成功からだけでなく、失敗からも、学ぶことはある。【前原淳】

▽広島河田ヘッドコーチ(広島復帰1年目は4位) 勝つ負けるは神のみぞ知るところなので。結果として負けてBクラスになったのだから、真摯(しんし)にしっかり受け止めている。

▽広島森下(8回1失点も勝ち星なしでルーキーイヤーから2年連続2桁勝利は絶望的) 監督、首脳陣の方たちが勝ちをつけようとしてくれて、8回も投げさせてもらった。8回までしっかり投げることができて良かったなと思います。