ヤクルト2位指名の明大・丸山和郁主将(4年=前橋育英)は、一塁を回ったところで感極まった。3-4の9回2死二、三塁。同点でも優勝が消える瀬戸際で、中越えへ逆転サヨナラ2点適時打を放った。

立大・宮の初球、スライダーが高く来たのを逃さなかった。「定位置ならセンターフライ。打った瞬間、いったと思いました」。2者の生還を確信し、涙がこみあげた。

だが、すぐに拭った。「優勝したら。取っておきます」と前を向いた。中1日で臨む法大戦に連勝しないと、優勝の望みはつながらない。「明治といったら、元気と粘りと気合と根性。残りも言い訳せずにやっていきたい」と力強く話した。あと2つ勝てば、早慶戦の結果次第で優勝または優勝決定戦となる。

頼れるキャプテンだ。サヨナラの前。9回1死二、三塁で代打に向かう日置航内野手(3年=日大三)に「後ろには俺がいるから大丈夫だ。お前の役割を果たしてこい」と声をかけた。日置はファウルで粘るも、三振に終わった。ただ、先輩の言葉は心強かったはずだ。田中武宏監督(60)は「試合を決めてくれたのは4年生。3年生以下は、いい素材はいますが、まだまだ修業が足りない。差が出ました」と4年生の力をたたえた。