日本ハム新庄剛志新監督(49)が4日、就任会見を行う。同監督のツイッターでのつぶやきを発端に、道内最大手のコンビニ「セイコーマート」が話題になった。道外ではなじみの薄いセイコーマートとは? セコマ愛が抑えきれないロッテ担当記者が、6日のCS初戦を前に解説する。

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“北のインフラ”だ。セイコーマート(通称ならびに以下表記「セコマ」)は、株式会社セコマ(本社・札幌市中央区)が運営するコンビニチェーンで、同社ホームページによると21年10月末現在で1174店が営業している。茨城、埼玉にも計92店舗があるものの、北海道のチェーンのイメージが色濃い。

1971年(昭46)8月10日に1号店が開店し、今年で50周年を迎えた。今夏には記念のポップコーン(しお味)や、ボックスティッシュ5個セット(歴代の店舗デザイン型)が発売され、特にボックスティッシュは「そこそこ大きなこれを果たして道外へ土産で持ち帰るべきか」と多くの道外セコマファンを悩ませた。

1号店は札幌市北区の住宅街にある「セイコーマートはぎなか」で、現存する国内最古のコンビニとされる。新千歳空港、札幌ドーム、札幌駅改札付近、新函館北斗駅周辺など、道外からの観光客が多く押し寄せる場所に店舗の姿はあまりない。道民の生活に密着する場所で、オレンジ色の看板が存在感を示す。

18年の胆振東部地震で道内全域に停電が及んだ際も、多くの店舗がいち早く営業再開するなど、インフラともいえる役割も果たしている。14年末、道北西岸の初山別村に初出店した際はテレビ番組で特集された。利尻島などの離島にも店舗がある。

最大の特徴は「ホットシェフ」と呼ばれる、手作りコーナー。全店舗設置ではないものの、作りたてに近い弁当、おにぎり、揚げ物などを温めながら販売している。特に大きめのおにぎりはファンが多く、同社への20年10月の取材によると3番人気だという「ベーコンおかか」は、他の追随を許さない味わい。私のように道内滞在時の主食とする人もいる。「部屋食」が強く推奨された今季は、札幌遠征に応援に来たロッテファンたちも多くホットシェフコーナーを訪れ、何度も鉢合わせた。

北海道ならではの独自商品が多く、店内を歩いているだけでも飽きない。特に豊富町産の牛乳を生かしたアイスクリーム、ヨーグルトなどの商品は安定した人気を誇る。店舗で70種以上のワインを販売しているのも大きな特徴だ。

自転車での北海道1周など、長旅をする人の聖地でもある。疲れ切ったところに出現するオレンジの看板はオアシスそのもの。特に、最北端稚内へ果てしなく続く「オロロンライン」の入り口にある天塩町内の店舗は、旅人にとって極めて貴重なスポットといえる。長旅においては、種類も豊富な「110円パスタ」が財布にも優しい。【ロッテ担当・金子真仁】