NPBドラフト会議で西武から育成2位指名を受けた関根学園の滝沢夏央内野手(3年)が12日、新潟・上越市内の料亭で入団交渉に臨み、契約合意した。

支度金は350万円、年俸は280万円(いずれも推定)。背番号は12月上旬の入団発表会で公表される。球界一小柄な167センチの「令和の牛若丸」は守備力をアピールして支配下登録を目指す。

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167センチの体に希望がたっぷり詰まっていた。「将来はゴールデングラブ賞を目指したい。(真っ最中の)クライマックスシリーズに、将来的には出なければいけないと思っている」。今でも後輩たちに交じってトレーニング。持ち前のスピードとキレを維持するため、ジャンプ、ダッシュ系の練習も重ねる。「(西武の)ユニホームを着て野球するのはワクワクする」。

西武の鈴木敬洋・育成アマチュア担当(38)は「松井稼頭央さんのような野生感がある。派手なプレー。ワクワクする」と滝沢の守備力を評した。遠投103メートルの強肩で、50メートル走5秒8の俊足。守備範囲は広い。関根学園の安川巧塁監督(29)は、かつて「ピンチの時には滝沢のところへゴロが飛んでくれと思う」と守備への信頼感を明かしていた。1年春に背番号4。1年夏には背番号6と入学時から能力を高く評価されていた。今度は西武の指導スタッフに守備をアピールすることになる。

入団会見は12月上旬。来年1月には入寮し、新人合同自主トレが始まる。鈴木担当の期待は「(小さいから)逆に目立つ。どんどん目立って欲しい」と大きい。高校に在籍しながら、プロ選手としての第1歩を踏み出すのは年明けから。滝沢は「たくさんの方々から愛される選手になりたい」と希望を膨らませていた。【涌井幹雄】

◆プロ野球の小柄選手 今季在籍した選手では古長拓内野手(オリックス)の164センチが最低身長で、2番目は山川和大投手(巨人)の166センチ、3番目は石川雅規投手(ヤクルト)福田秀平内野手(オリックス)らの167センチ。古長と山川は今季限りで退団が決定しており、滝沢は現役最小兵選手に並ぶ。なお、プロ野球界の過去最小兵は浜崎真二投手(阪急)浜崎忠治内野手(中日)の156センチ。ドラフト制以降では鎌田圭司内野手(中日)坂本一将内野手(オリックス)の162センチが最も身長が低い。