りりしい笑顔の裏にある、貪欲な向上心をのぞかせた。巨人喜多隆介捕手(23)が26日、都内の球団事務所で契約更改に臨み、40万円増の年俸460万円でサインした。昨年、育成ドラフト2位で加入。8月に支配下契約を勝ち取った。「入団した時に思い描いたものよりもはるかにいい1年になったと思います」と手応えを示した。

それでも満足感はない。「入団した時から、自分が一番へたくそというか、自分が一番下という部分は思っている。支配下になってもそこは変わらずにやっていきたい」と雑草魂を貫く。ルーキーイヤーの今季はイースタン・リーグで64試合に出場し、打率2割1分2厘、2本塁打。東京五輪の中断期間中には、1軍のエキシビションマッチに参加。CSでは、大城、小林、岸田に次ぐ4番目の捕手として1軍に帯同した。ベンチ入りはなかったが、貴重な経験を重ねてきた。

捕手としての経験もプロの実績もある3人を差し置いて出番を得るには、それ相応の覚悟が必要になる。「同じ結果を残していたら使ってもらえない。その3人の方以上の結果を求めて貪欲にやっていきたい」と、対抗心を燃やして競争に挑む。

オフの自主トレについては、現状では「TEAM TOGO」の一員として、戸郷の母校・聖心ウルスラ学園(宮崎)で横川、戸田、笠島で行う予定。今季は育成から支配下にはい上がった。来季は1軍の捕手争いに食い込むための、鍛錬の冬を過ごす。【小早川宗一郎】(金額は推定)