上々の東京ドームデビューだ。NTT東日本(東京都)のルーキー右腕・片山楽生(らいく)投手(19=白樺学園)が先発し、5回1/3を2安打1失点。「立ち上がりは、すごく不安でしたけど、なんとか乗り切って、5回を投げることができました」とホッとした様子で話した。6回1死から同点ソロを打たれ降板したが、145キロ前後の直球が伸びた。

立ち上がり、初回先頭にいきなり2ボール。カウント不利となり、最後は左翼へ大きな当たり。だが、長沢がしっかりキャッチしてくれた。「なんとか、先頭を切れた。大きなポイントでした」。初めてのマウンドに序盤は感覚が合わなかったが、イニング間に安田コーチからフォームの指摘を受けた。体を押し込み、打者に向かって前の方でボールを離すことを意識。3回ぐらいから、しっくりきた。

高校時代は、出場するはずだった3年春のセンバツが中止。夏に行われた甲子園交流試合には出場できたが、コロナ禍の影響を、もろに受けた世代だ。プロ志望届を提出するも、指名はなく、社会人の名門へ進んだ。1年目から都市対抗の先発という大役を「本当に、いい経験をさせていただいた。来年、再来年と自分の投球に生かして、経験材料にしていけたらいい」と真摯(しんし)に受け止めた。

北海道出身で、初めての関東ライフ。同じ北海道出身の上出拓馬投手(23=国学院大)とは、よく暑さの話をするという。ただ「思ったほど、苦にはなりませんでした」と、北海道にはない気候にも順応した。飯塚智広監督(46)が「100点です」と評価する働きで、チームは準優勝した昨年に続き8強入り。片山は「チーム一丸となって、頑張っていきたい」と意気込んだ。