DeNA伊藤光捕手(32)が腸内革命に挑んでいる。「今取り組んでいるのは腸内環境を整えること。プロテインにサプリを加えてやっていたが、本当の中身も整えないと、吸収しているようでも体の一部にならないと勉強して感じた」。8人いる捕手の中では最年長。今季は出場53試合にとどまっただけに、来季は体の中から調子を整える。

神里和毅外野手から紹介された「ボススープ」という粉末スープを飲んでいる。「神里に自分が契約して、提供してもらっているサプリメントを紹介して、お返しで教えてもらった」。チキンエキスやショウガ粉末などが含まれている。「科学的なものも、時代が変わっていくので、自分に合えばいいが。チャレンジするのが好き」。小麦粉を断つグルテンフリーや酵素ドリンクの断食などに取り組んだこともあるが、こちらは断念している。トライ&エラーを繰り返し、体に合った健康法を探っている。

内臓以外に、メンタル面も鍛えている。今季の前半、戦列を離れている間に、電気治療や酸素カプセルの中でサッカー元日本代表主将のDF長谷部誠(フランクフルト)が著した「心を整える。勝利をたぐり寄せるための56の習慣」を読み返した。「競技は違っても気持ちが通じたり、勉強になったりはする」。あえて野球とは違う種目のトップアスリートの本を読み、学んだ。

長谷部のキャプテンシーには「僕のポジション的にもそういうところなので。長谷部さんと面識はないが、プレーしているのに第三者的に物事を捉えられて実行できているのがすごいな」と感じたという。自らを俯瞰(ふかん)で見る必要性を再認識。「捕手でも入り込んでしまうと取り返しがつかなかい。それがいいこともあるが、第2の監督といわれるポジションなので、いろんなところに広い視野を持ってやらないといけない」。首脳陣の意図を酌みながら、試合に臨むという。

10月には右肩関節唇と関節包のクリーニング手術を受けた。昨年のうちから「手術しか今のところ改善の方法はない」と言われていたが、12年前に椎間板ヘルニアの手術をして、2年間野球ができずに過ごした経験があり、先延ばしにしていた。「春のキャンプは万全でいける予定。1月中旬ぐらいには、すべてのメニューを制限なくやるという予定」。肩も内臓も心も整えて、来季は光を放つ。【斎藤直樹】