巨人が「史上最大の育成サバイバル」でチーム力を底上げする。

今オフには1軍経験者の田中や香月ら支配下12人が育成契約を締結し、育成選手は現状でも球団史上最多の41人となった。原辰徳監督(63)は「何よりフェアでないといけないのは、頑張った、力がある人たちは東京ドームで暴れるチャンスがあるんだということ」と強調したうえで「弱肉強食の中に希望や目標がないといけない」と力説した。

個の能力をより高めさせるため、現実的な「希望」を見せた上で、競争の場を作る。支配下選手は現時点で59人。70人枠に余裕を持たせていることがミソだ。原監督は「最低でも6、7枠を空けて戦いに挑む。目標がないといけない。競争が激しくなることがチーム力を上げる。個人の成績も成長も促すことができる」と説明。支配下切符を多く用意することが、育成選手には何よりのモチベーションアップにつながる。

「70人」の支配下枠も有効に使える。育成契約となった支配下12人中、4選手が手術あけ。年俸を大幅に下げず育成契約することで、焦らずに完治できる期間を設け、実力を発揮できる状況で再び支配下の舞台を目指させることができる。明確なビジョンに基づく育成41人の大所帯が、平等かつ質の高いサバイバルを生む。【浜本卓也】

◆育成選手 05年に初の育成選手ドラフトが開かれた。支配下選手65人以上の球団のみ保有できる。最低年俸230万円、背番号は3ケタ。戦力外通告を受けた自由契約選手や外国人の採用も可能で、オープン戦や2軍の試合には出場できる。身分を支配下選手に移行すれば1軍出場が可能。