勝負の4年目を迎える阪神矢野燿大監督(53)が18日、今季の4番を大山悠輔内野手(27)と佐藤輝明内野手(22)の2人に競わせる考えを明かした。大阪・読売テレビの早朝情報番組「す・またん!」に生出演。「2人の争いがチームを強くし、本当の4番ができる」と、17年ぶりリーグ優勝へ、日本人4番の確立を掲げた。

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矢野監督は今季4番を任せたい選手を問われ、「大山 佐藤輝」と2人の名前をボードに書いた。「競争の中で勝ってきて大山になったらいいんじゃないか。逆に輝が『いやいや大山さん、僕がいきますよ』となったら、この争いがチームを強くすると思うし、本当の4番ができると思う」と熱く説明した。

17年ぶりのリーグ制覇へ、日本人4番の必要性を痛感している。勝率5厘差でV逸した昨季。優勝をさらわれたヤクルトには村上が不動の4番としてMVPを獲得。矢野監督は「(4番が)しっかりしていくと(チームも)安定していく」と猛虎打線の核を望む。その実現にぶち上げたのが、「大山VS輝」の構図だ。

昨季は大山がチーム最多の93試合、佐藤輝は11試合、4番で起用された。指揮官は「日本人選手が4番にいるというのは、チームもファンも求めているところ。悠輔(大山)が1年間不動というのが安定的だけど、そこに輝が入ればすごくおもしろい、いい打線になっていると思う」と話す。春季キャンプから、4番争いに激しく火花を散らすことで、チームに相乗効果をもたらすと考える。

猛虎の4番という重圧のかかる打順で、大山には経験という財産がある。佐藤輝は昨季チーム最多24本塁打を放ち、将来チームを背負う存在だ。矢野監督も「飛距離、魅力は誰にもないものを持っている。甲子園のバックスクリーンの上に(打球が)乗る可能性はある。夢のある本塁打を打てる打者。どこまでいってくれるか楽しみ」と、2年目の怪物スラッガーの成長を楽しみにした。

大山と佐藤輝は今キャンプで三塁手争いも注目されるが、矢野監督は「悠輔も基本三塁、輝も基本的には右翼かな」と、現時点での見通しを明かした。4番そしてサード。ハイレベルな争いを経て、2人が打線の軸として機能すれば、V奪回の猛虎打線が完成する。【石橋隆雄】

 

▼阪神の近年の4番打者をみると、04~09年の6年間は金本知憲が全試合で務め、しかもフルイニング出場していた。金本以後はマートンやゴメスら助っ人選手も多く務め、130試合以上で先発4番を打った日本人選手は、11年の新井貴浩(135試合)以降出ていない。昨季も大山が開幕から4番を打ったが、故障や不振もあり93試合どまりだった。