BIGBOSSの陽動作戦!? に完勝した。阪神藤浪晋太郎投手(27)が、日本ハムとの練習試合(名護)で対外試合初登板を迎え、先発で3回1安打無失点と結果を出した。セーフティーバント戦法に動じず、最速159キロの直球と変化球のコンビネーションも上々。開幕ローテ入りへ、首脳陣の評価を高めた。

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ザワつく名護の観客をよそに、藤浪は平然としていた。1回。1番上野、2番片岡が全球にバットを寝かせてくる。前代未聞のセーフティーバント攻めにも表情を変えなかった。

「なんか(新庄監督)らしいな、と。自分のやること自体は変わらないので」

上野は154キロで押し込んでバントゴロ。片岡はフォークでバットにもかすらせない。追い込まれた3番宮田がついに打ちにくると、今度は外角低め159キロで見逃し三振。対外試合初戦としてはプロ10年目で最速をたたき出した。

2日に日本ハムのキャンプでバーチャル打撃マシンに自身の投球映像を流されている。BIGBOSS流には免疫があった。この日は回転抽選器“ガラポン”で決められたラインアップに冷静に対処。3回を3奪三振1安打1死球での無失点に「バランスも力感も良かった」と納得した。

2回以降、強攻策に硬軟織り交ぜたスタイルも評価を高めた。3回2死二塁では2番片岡の初球に自らの意図でカーブを選択。「良かった」という1球で見逃しストライクを稼いだ後、全球変化球で空振り三振を奪った。1月の合同自主トレで巨人菅野から軸足の使い方を教わり、「それがいい感触で投げられている要素の1つ」と力強い。

5日の紅白戦は2回1失点。この日はわずか32球で3回を投げ切った。矢野監督は「かなり安定してきた。カットボール、カーブ、フォークと、だいぶ操れるようになってきた。勝負できるところに来ている」と及第点を与えた上で「まだまだこれがピークではない」とも強調。開幕ローテ入りへ、黙々と信頼を積み重ねていく。【佐井陽介】

▽阪神金村投手コーチ(藤浪について) 本人も手応えをすごく感じていた。(球の質は)前のクールくらいから変化が出だしたというか、手応えを僕が見ていて感じた。本人にも伝えたら本人も感じていて、それが継続してやっていければ、間違いなくめちゃくちゃ勝ってくれると思う。

▽阪神小川(8回から2イニング無失点) ストライク先行でいけてない。自分の課題。ダメだったので自分の中で納得していない。