支配下どころか一気の開幕1軍あるぞ。ソフトバンクに新加入した元広島の育成右腕、藤井皓哉投手(25)が1回3人斬りで本拠地初登板を飾った。8回からの3番手で、A・マルティネス、岡林、根尾を最速150キロの直球でグイグイ押し込んだ。登板4投手で唯一の完全投球を見せ、藤本監督の評価も爆上がりだ。

【ニッカン式スコア】ソフトバンク-中日詳細スコア

藤本監督 ずっといい。本当に支配下も近いんじゃないですか。このままオープン戦でいい状態で投げてくれたら。当然開幕1軍も考えられる。

藤本ホークスは「競争」をテーマに掲げるが、背番号3桁の右腕が一躍、開幕1軍メンバーに急浮上。藤井も「まだ背番号が3桁なので今日のような投球を続けて、支配下登録を勝ち取れるように頑張っていきたいです」と引き締めた。

春季キャンプからの実戦4試合は6イニングをわずか2安打、3失点。奪三振はイニング数の倍の12個だ。「久しぶりのドーム球場、1軍のマウンドということで緊張しましたが、割り切って投げることができました。しっかりとゾーンに投げ込んでバッターと勝負するという気持ちでした」。20年オフに広島を戦力外になり、独立リーグの四国IL・高知からNPB復帰のチャンスをつかんだ苦労人。今年初の実戦登板から1カ月も経たない中、支配下契約をほぼ確実にした。

藤本監督は言う。「これだけのピッチングをされたら、他の投手もうかうかできないですよね」。育成右腕が吹き込む新風は、投手陣の底上げにつながる。収穫いっぱいの本拠地初采配、初勝利になった。【只松憲】

◆藤井皓哉(ふじい・こうや)1996年(平8)7月29日、岡山・笠岡市出身。小3時に大井若草スポーツ少年団でソフトボールを始める。おかやま山陽では2年秋からエース。14年ドラフト4位で広島入団。通算14試合登板で1勝0敗、防御率7・94。20年オフに戦力外となり、昨季は独立リーグの四国IL・高知でプレー。22試合に登板し、2完封を含む3完投で11勝3敗、防御率1・12。昨年12月にソフトバンクと育成契約を結んだ。183センチ、89キロ。右投げ左打ち。今季推定年俸は550万円。

▽ソフトバンク柳田(オープン戦初打席で右前打)「とにかくけがなくやっていくことが一番です。しっかりと状態を確認しながら、開幕に合わせていきたい」

▽ソフトバンク松本(2番手で4回3安打1失点)「ホームランは打たれてしまいましたが、自分の感覚はそんなに悪くはなかった。今後は配球をもっと考え、その中で自分のボールの精度を上げていきたい」