チーム最年長の40歳、阪神糸井嘉男外野手が、開幕戦で暴れ回った。2年ぶりの開幕スタメンとなる「6番左翼」で出場。5点リードの4回、2死一塁からヤクルト大下の初球、低め直球を豪快に振り抜き、打球は右翼席へ。今季チーム1号となる2ラン。40歳7カ月での1発は09年金本、18年福留に次ぐ、球団史上3人目の「40代開幕戦本塁打」だ。

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ベンチでは昨季坂本が製作し、1発を放った打者にかけられていた「虎メダル」を、今季は「ファンともっと! プロジェクト!」の企画としてファンから募集していた「新・虎メダル」が初披露された。小幡から虎メダルを首にかけられた糸井は、ナインとハイタッチを交わし、カメラに向かってファイティングポーズで喜びを表現した。

“若すぎる”40歳だ。1点を追う2回の第1打席では小川の139キロを中前にはじき返す同点タイムリー。「良い緊張感の中で集中して打席に入れました」。3回には糸原が勝ち越しの三塁打を放った直後、2死三塁から146キロ直球を左前に運び、2打点目。そして4回の1発を含む3安打4打点と奮起した。2安打2打点と奮闘した5番糸原の出塁に続く打席で、「(糸原)健斗の素晴らしい打球につられました」と振り返った。

「ほんまに去年の話をしたくないくらい、すごい悔しかった。今年は絶対やり返す」。昨季はあと1歩で優勝を逃し、個人としても移籍後最少の77試合の出場にとどまり、打率も2割8厘と振るわなかった。巻き返しを心に誓い、春季キャンプでは若手に混じり初日からフルメニューをこなすなど、徹底的に体を追い込み開幕に備えた。チームは接戦の末に敗れたものの、ベテランの奮闘は明るい光となったに違いない。【古財稜明】

▼40歳7カ月の糸井が放った開幕戦での1号は、球団3人目の40代選手による本塁打。09年金本が41歳0カ月、18年福留40歳11カ月以来。なお最年長は72年阪急スペンサーの43歳8カ月。