広島九里亜蓮投手(30)が5日の巨人1回戦(マツダスタジアム)に先発する。開幕6連勝で滑り出したチームは3連敗を喫し、帰ってきた。本拠地で調整した右腕には、昨季のような連敗ストッパーの期待がかかる。昨季4勝2敗と勝ち越している巨人相手にチームの連敗を止め、自身今季初勝利もつかみたい。

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前回は3連勝、そして今回は3連敗で先発が巡ってきた。巨人戦先発を翌日に控えた九里は快晴の下、緑の芝生上で最終確認を行った。前回登板から真っすぐの精度を意識しながら備えてきた。逆風の中でこそ、力を発揮するタイプ。チームに勝利を引き寄せる投球を胸に誓う。

「とりあえずチームが勝てるように。勝ちにつながる投球ができればと、常にマウンドに上がっている。それをしっかり表現できるように。そこだけです」

今季初登板の前回3月29日阪神戦は、6回2/3を2失点で逆転勝利に貢献。その後の開幕6連勝につなげた。自身今季初白星がかかる2度目の登板は、チーム連敗中も「特に変わらない」と平常心を保つ。昨季は6連敗など4度チームの連敗を止めた“ストッパー”に、悪い流れを断ちきる投球が期待される。

広島とは対照的に、巨人は6連勝と勢いづく。昨季はチーム最多となる4勝(2敗)をマークした相性も「昨年は昨年で終わっている話」と警戒心を高める。2人の新外国人野手を加えた新打線は、いずれもリーグトップの打率2割6分8厘、14本塁打、50得点と厚みを増している。「臆することなく、しっかり勝負していきながら1つ1つのアウトを積み重ねていけるように。1アウトでも、1イニングでも長くという気持ちは変えずに投げていければ。ゾーンの中で勝負していかないと」。強力打線にも、攻めの投球を貫く。

連敗中とはいえ、ここまでリーグ2位のチーム防御率2・99の広島投手陣が安定した戦いを支えている。相手が得意な打撃戦ではなく、投手戦に持ち込みたいところ。広島野球で首位巨人の勢いを止めることができれば、再浮上のきっかけをつかみとるに違いない。【前原淳】