オリックス宮城大弥投手(20)が今季4試合目で初白星を手にした。先制こそ許したが、ソフトバンク打線に連打を許さず、7回4安打1失点。救援陣がリードを守って試合を締めくくると、バッテリーを組んだ頓宮と抱き合った。「やっと勝てて、本当にうれしい。勝ててない分、勝ちたい気持ちが強くあった」。試合後に安堵(あんど)の表情を浮かべた左腕だが、7回2死で松田を中飛に仕留めると、そっとボールボーイにバットを手渡すなど、落ち着いていた。

【ニッカン式スコア】20日のオリックス-ソフトバンク戦詳細スコア

昨季13勝で新人王を獲得。それでも現状に満足せず、成長を目指す今季、最初の勝利をつかんだ。高みを見つめる心境は、1通の連絡にも凝縮されている。

「おめでとう…!」

10日のロッテ戦(ZOZOマリン)。同学年の佐々木朗が完全試合を成し遂げた。投げ合った自身は、敗戦投手。プライドを捨て、リスペクトの精神で、連絡を入れた。

報道陣から佐々木朗の存在について問われると「ファンです」と即答。昨季、飛躍を遂げたにも関わらず「本当に理想の投球を彼がしている」と尊敬し「僕もそこを目指したい。けど、今のままじゃ、全然手が届かない」と進化を誓う。

宮城の好投が光り、チームは天敵としていた和田に16年9月8日以来、6年ぶりに土をつけた。中嶋監督は「宮城らしくテンポよく、高さ、コース、思い切って攻めた投球でした」と褒めた。これで借金2。昨季王者に上昇気配が漂ってきた。【真柴健】