阪神渡辺雄大投手(30)が、苦節5年目で悲願のプロ初勝利を手にした。

2-2の同点の6回に2番手で登板。先頭の代打広岡に左前打を浴び出塁を許すも、大城のバントを自らの好フィールディングで二塁封殺。続く代打若林、吉川を連続の空振り三振に仕留め、チームに流れを呼び込んだ。直後の7回に味方打線が6点を奪い、渡辺にプロ1勝目が巡ってきた。

渡辺は青学大から独立リーグのBC・新潟で4年間プレーした後、17年育成ドラフト6位でソフトバンク入団。3年目の20年に支配下となったが、21年オフに戦力外となり、阪神と育成契約を結んだ。今春のキャンプ、オープン戦と結果を残し、開幕直前に支配下選手登録を勝ち取った。貴重な変則左腕の中継ぎとして10試合連続無失点と奮闘し、チームに大きく貢献している。

BC新潟時代のオフシーズンには、ユニホームの胸スポンサーでもあるホームセンター「コメリ」(本社・新潟市)でアルバイトも経験。オフの週5日、1日8時間以上働いていたこともあった。遅咲きの苦労人が、30歳にして待ちに待ったプロ「1勝」をつかみ取った。

▼ソフトバンク前監督の工藤公康氏(解説として東京ドームで渡辺の初勝利を見て)「阪神で活躍する姿を見られて本当によかった。スライダーもいいが、あのツーシームもなかなか打たれないんですよ」

◆渡辺雄大(わたなべ・ゆうた)1991年(平3)9月19日、新潟県生まれ。中越高では甲子園の出場経験なし。青学大の同期にオリックス杉本、ロッテ東條らがいる。その後、独立リーグのBC・新潟で4年間プレー。オフシーズンにはホームセンターでアルバイトし、オフの週5日、1日8時間以上働くこともあった。17年育成ドラフト6位でソフトバンク入団。3年目の20年に支配下となったが、21年オフに戦力外。阪神と育成契約を結び、3月22日に支配下契約を勝ち取った。背番号92。185センチ、84キロ。左投げ左打ち。

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