立浪竜が昨季のMVP右腕、オリックス山本由伸投手(23)を攻略し、今季4度目の3連勝を飾った。1-1で迎えた8回だ。三ツ俣大樹内野手(30)が古巣のエースから勝ち越しの左前タイムリー。昨季の交流戦王者&パ・リーグ王者にカード勝ち越しを決めた。

プロ12年目。14年途中にオリックスから移籍9年目の苦労人が、スポットライトを浴びた。2死一、二塁。山本相手に粘った。3本のファウルを交え、フルカウントからの8球目。捉えたカーブを左前に運んだ。

「追い込まれて、全部ケアしないといけない。三振は一番いけない。何とかくらいついてバットに当てようと」。打席前に立浪監督から“狙い球を絞れ”とアドバイスを受けた。最高の結果で応えた。

京田が不振などで2軍調整中で、遊撃を溝脇らと日替わりで守っている。途中出場した前日27日も、古巣戦初安打を含む2安打1打点。かつての本拠地京セラドーム大阪で連日の“恩返し”が続く。プロ初のヒーローインタビューも受けた。「今までこういう経験がなかった。ヒーローになるイメージもしてなかった。いままでやってきて良かった」ととびきりの笑顔だ。

チームは先発山本と3度目の対戦で初めて黒星をつけた。立浪監督も「山本(対)鈴木でオリックス有利と思われていた。どんな形でも勝ちたいと思っていたことが現実になった。非常にうれしい」と会心。大きな金星から一気の波乗りだ。【伊東大介】

◆三ツ俣大樹(みつまた・たいき)1992年(平4)5月11日生まれ、東京都出身。内野手。修徳から10年ドラフト2位でオリックス入り。2年目の12年に1軍戦初出場。14年途中に中日へ、岩崎恭平内野手との交換トレードで移籍。通算189試合、55安打、2本塁打、20打点、打率1割9分6厘。177センチ、84キロ。右投げ右打ち。

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