西武栗山巧外野手(38)が劇的なサヨナラ本塁打を放った。

2-2で迎えた9回。先頭で8番の捕手古賀の代打で登場した。カウント0-2と追い込まれたが、3球目だった。低めのフォークをうまくすくった。快音と同時に歓声が響いた。角度よく上がった打球は、右翼スタンドに飛び込んだ。不振に苦しんでいたベテランがドラマチックに決めた。感情がこみ上げる中、ベースをゆっくり回った。ヘルメットを投げ捨て、仲間の輪に飛び込んだ。両手を上げて本塁を踏んだ。

今季1号は、この上ない場面で出た。栗山はお立ち台で「何分か前まで裏で準備していたので、本当に信じられない気持ちです。追い込まれていたので、とにかくバットに当てるだけという気持ちで。本当に、芯に当たったのも角度が付いたのも、ファンの皆さんの後押しがあったからだと思います」。そう言葉に感情を込めた。

西武は今季初のサヨナラ勝ちだった。辻監督は栗山を「大きな仕事をしてくれました」とたたえ、「さらにチームとしても勢いが出てくるんじゃないかと思う」と喜んだ。

○…岸が2号ソロを放った。4回1死。DeNA京山の高め145キロ直球を強振した。4月6日楽天戦以来となる1発を左翼スタンド前列に運んだ。打席に入る前、平石打撃コーチから「思い切っていけ」と助言を受けたことで「しっかり自分のスイングをすることができました」。辻監督も「いいところで打ってくれた」とたたえた。

▽西武エンス(先発で6回2被弾も3安打2失点)「本塁打を打たれた2球は、いずれも失投だった。勝ち投手にはなれなかったけど、試合に勝てたことが一番。クリヤマサンノオカゲ」

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