ロッテのエンニー・ロメロ投手(31)が4月22日のオリックス戦(京セラドーム大阪)以来、5登板ぶりとなる白星を手にした。

「神様に感謝したいし、今日応援してくれたファンの皆さまに感謝したい」

お立ち台の活躍をプレーボール直後、想像できただろうか。「確かに厳しいスタートでした」と振り返る。初回、連打に四球でいきなり無死満塁。自身は4連敗中、チームも2連敗中での無死満塁。しかも、打席には4番佐藤輝が入る。井口監督も「開き直らないと無理でしょう、あそこは」という場面だった。

2球でストライクを作るも、3球連続ボール。そこで投げ込んだ151キロを相手主砲が空振りしたことで、空気が変わった。

「あれで自信を持ちましたし、あそこからどんどん乗っていけたので」

後続も切り、無失点で終えた。グラブを口に近づけ、思い切りほえた。

苦しい時期に、映像を見直した。「アグレッシブになりすぎたところもあったので」。前へ、前へ。その気持ちでリリースする腕が、体から少し離れてしまっていた。修正することで制球が安定。奪った7つの三振もほとんどが直球を空振りさせたもので、井口監督にも「開幕してから何試合かああいう形だったので、ようやく自分の形を取り戻しつつあるのかな」と感じさせる球威だった。

「野球はチーム」といつも言う。小島が8試合に先発し、まだ白星に恵まれない。気持ちはよく分かる。よく話す。「いい投球をしているから、なかなか勝ち星はつかないけど、このまま自分の投球をするようにしていこう」。

1球1球や、対打者の結果をコントロールするのは自分だ。でも。「僕たちは打つことはできない。僕たちができるのはマウンド上でいい投球をすることだけなので、そこに集中するしかないですね。勝つために投げ続けるだけです。僕たちはチームなので」

誰かがエラーをすれば「次は大丈夫」「前を向いて行こう」とフォローする。役目を終えれば、バチバチと手をたたきながら味方に感謝する。「僕たちはチームなので」。5位に停滞するも浮上への可能性や要素は、まだ失われていない。【金子真仁】

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