伝統の早慶戦で慶大が連勝し、勝ち点を3に伸ばして2位で今春リーグを終えた。5回、4番・萩尾匡也(まさや)外野手(4年=文徳)が今春5号となる勝ち越しの3ランを放った。早慶戦での2戦2勝は、17年秋以来となった。早大は、今秋ドラフト候補・蛭間拓哉外野手(4年=浦和学院)が8回に2戦連発となるソロを放ったが、4連敗でシーズン終了となった。

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慶大・萩尾の左手1本のスイングが、早慶戦2連勝を呼び込んだ。1-1で迎えた5回無死一、二塁、2球目の内角にきた132キロ変化球に反応し、体勢を崩しながら片手でうまくバットを合わせた。慶大の応援団が詰めかけた左翼ポール際へ飛ばし、勝ち越しの3ラン。3試合連発で、4番に座る意地を見せた。「打てるボールに食らいついた結果。入ってくれ、という気持ちでした」。堀井哲也監督(60)は「まさか3ランとは」と目を細めた。

スイングスピードはチームトップの160~170キロと、長距離砲の素質を持つ今秋ドラフト候補。今春5本塁打、17打点はどちらもリーグトップで「びっくりです。チームに貢献できる打点で数字が出るのはうれしい」と笑顔。3連覇は逃したが、2位につけた。巻き返しを狙う秋季リーグに向け「1位をとる準備をしていきたい」と話した。

▽慶大・橋本達弥投手(防御率1.53で最優秀防御率賞を初受賞)「リリーフをやっているので、チームが頑張ってきたから自分に回ってきたと思っています。先発がいいんですけど、抑えの方が合っている気はします」

▽慶大・外丸東真投手(1年ながら早慶戦で先発し、6回1失点で初勝利)「自分の投球ができた。(早大打線は)怖さを感じたが、粘り切れてよかった」

○…早大は終盤に4連敗して5位に終わった。中川卓也主将(4年=大阪桐蔭)は「チャンスに1本が打てず三塁に走者がいてもかえせなかった。課題が残りました」。チーム打率2割3分2厘はリーグ5位。優勝争いもできなかった。小宮山悟監督(56)は「選手は力量が把握できたはず。夏に鍛え上げ、秋にはちゃんとした形でいいゲームが見せられるよう頑張りたい」と巻き返しを誓った。