阪神西勇輝投手(31)が6回6安打無失点と好投し、今季4勝目をつかみ取った。オリックス時代に通算42度対戦したソフトバンクを相手に、19年の阪神移籍後、公式戦では初登板。「何度も対戦のあるチームなので、丁寧に大事に投げていきました」。12年にノーヒットノーランを達成した地で、淡々とゼロを積み重ねた。

故障から復活した梅野と今季初コンビを組み、好投につなげた。昨年10月6日DeNA戦以来のバッテリーだったが「何回も組んでいるので、投げたい球、タイミングを理解してくれている。安心してマウンドで投げることができました」。カーブをアクセントに緩急を自在に操り、4回以外は走者を背負う展開となったが、粘りの投球で強力打線を寄せ付けなかった。

万全ではない中で踏ん張り、114球を投げきった。球数が100球近くなった6回には、マウンド上で下半身を気にする動きが目立ち、先頭のグラシアルの打席では投球動作に入るも投げられない場面もあった。それでも6回を最後まで投げきり、先発としての役目を果たし降板となった。 矢野監督は「なんかちょっと(足が)つりかけていたというか、つっていたというか…」と明かし、「大丈夫」と説明。投球については「ランナーを出しながらよう粘ってくれた。交流戦以降ももまたやってくれるんじゃないかなっていう形でいけた」とたたえた。

交流戦初優勝をかけた大事な6連戦の頭を白星で飾り、チームを今季最長タイの6連勝に導いた。「流れがいい状況で僕も投げさせてもらった」。これで7試合連続でクオリティースタート(6回以上、自責3以内)を達成し、防御率は青柳に次ぐリーグ2位の1・50。虎の柱の1人として、チームの躍動を支えている。【古財稜明】

○…岩貞が7回に2番手として登板し、3者凡退に打ち取った。約2カ月ぶりとなる2ホールド目をマークした。「西(勇)さんがいい投球をしてくれていたので、自分もいい流れの中で投げることができた。これまで湯浅が頑張ってくれていたし、帰ってきたときに、よりよいチーム状態で迎えてあげたい」と、戦略的に休ませた湯浅の代役は、ブルペン陣が団結してカバーする。

○…7回の男アルカンタラが、8回を任された。先頭今宮に安打、柳田に四球と無死一、二塁を招いたが、4番グラシアルを初球スプリットで注文通りの遊ゴロ併殺、中村晃は遊飛に仕留めた。ピンチを無失点でしのぎ4戦連続の13ホールド目。「ピンチを招いてしまったけど、結果的に失点せず3アウトを取ることができたので良かったと思うよ」とほっとした表情だった。

○…岩崎が1回を無失点に抑えて12セーブ目を挙げた。2点リードの9回に登板。ソフトバンクの先頭デスパイネを144キロの直球で見逃し三振。牧原大も変化球で二ゴロに仕留めた。ガルビスには右前打を許したが、最後は代打野村勇を捕邪飛に仕留めて試合を締めた。「勝つことができてよかったです」とおなじみのフレーズ。これで5試合連続のセーブとし、守護神として仕事を果たしている。

▼阪神の完封勝利は今季7度目。交流戦では5月24日楽天戦、同27日ロッテ戦、6月4日日本ハムに続き、全9勝中4勝が完封勝ちだ。

▼ソフトバンク戦の完封勝ちは、12年6月11日(甲子園)での1-0勝利以来10年ぶり4度目。ペイペイドームに限ると、福岡ヤフードーム時代の12年5月25日以来10年ぶり2度目。

▼阪神は1日の西武戦から交流戦6連勝。同一年の交流戦では、08年6月4日楽天戦~11日西武戦、21年6月8日日本ハム戦~13日楽天戦と並び最長となった。

▼今季の交流戦はこれで9勝4敗。5試合を残し、5割以上が確定した。

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