主砲の一撃が「魔の日曜日」の呪縛を解いた。巨人岡本和真内野手(25)が4回に18号先制ソロで勢いづけると、この回に3得点。

その後も着実にリードを広げ、4月24日から続いていた日曜日の連敗を8で、チームの連敗も4で止めた。首位ヤクルトも勝利したためゲーム差は9のままだが、自身のノーアーチを34打席で断ち切った4番を先頭に、独走状態の燕を追う。

   ◇   ◇   ◇

岡本和がひと振りで、連敗中の重たいムードを一掃した。4回1死、中日柳の外角低め144キロ直球を逆方向へかち上げた。わずかに右翼フェンスを越える9試合ぶり、35打席ぶりの18号先制ソロ。「まずは塁に出ることを考えていきました。しっかりと捉えることが出来て、本塁打になってよかったです」と久しぶりにバットから伝わってきた感触をかみしめた。

主砲自身にとっても、チームにとっても大きな1発だった。今季2番目に長い期間、本塁打から遠ざかっていた中で、6試合ぶりに先制点をもたらし、勝ちにつなげた。4連敗で迎えた、8連敗中の“魔の日曜日”を払拭。リーグ戦再開後初白星をもたらした。

チームの勝利につなげる一打だからこそ、何よりも格別だ。負けたら意味がない。つまらない。昨季、10連敗を喫していたさなか、思わずこぼした。「とにかく勝たないと面白くないというのはすごく思いました。いくら自分が打っても、何本打っても負ければ面白くない。チームプレーが野球の醍醐味(だいごみ)だと思うので」と、チームを勝たせる一打をひたすらに追求し続けてきた。

どっしりと4番に座り続ける。ジタバタしない。「1試合1試合やることはいつもと変わりません。チームの勝利のため全力を尽くして頑張るだけです」。逆方向への放物線は、好調のバロメーター。これを「反撃の巨人」を加速させるきっかけの1発にする。【小早川宗一郎】

○…原監督が「父の日」の4回に先制の3得点を生んだ“孝行息子”の活躍を喜んだ。若大将の後継者の岡本和は交流戦中に授けた助言を先制ソロにつなげ「家族みたいなもんだから。話というか、一緒に野球をして遊んだってことよ」と笑顔。2点適時打で続いた4年目増田陸にも「大きいね! 陸はけれん味がないというかね。思い切りがいい、と言ってしまえばそれまでなんだけどね。いいと思います」とたたえた。

○…増田陸が勝負強い打撃で、父の日の勝利をたぐり寄せた。4回1死二、三塁、中日柳の内角直球に詰まりながらも、左前への2点適時打。得点圏打率は4割3分8厘とし「若いのでガツガツでいくだけ。その勢いが良い感じに出ていると思う」と笑った。父浩三さんには幼少期から「負けるな」と教え込まれており「死ぬまで、野球終わるまで心に受けとめてやっていきたい」と貪欲に勝利を追い求めていく。

▽巨人中島(8回2死二塁、代打で左前適時打)「なんとか追加点を取りたいと思っていました。勝ちに結びつくタイムリーになって良かったです」

○…先発シューメーカーが7回6安打1失点で3勝目を挙げた。来日初勝利を初完封で飾った敵地でテンポのいい投球を披露し、「最高の気分です」と声を弾ませた。連敗ストッパーとなった4児のパパは「今日はファーザーズデイですけど、米国でもお父さんが多分見てくれていたと思うし、日本に来ている子供4人も見てくれていたと思う。いい試合、いい姿を見せられて本当に良かった」とほほ笑んだ。

【関連記事】巨人ニュース一覧