広島森下暢仁投手(24)が7回6安打無失点の粘投で6勝目を手にした。

5回まで毎回のように走者を背負う投球となったが、要所を締めた。6回に大量援護をもらうと、その後2イニングを3者凡退で切り抜けてチームを勝利に導いた。猛暑が続く中で前回巨人戦から15イニング連続無失点と、頼れる右腕が調子を上げてきた。

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流れが傾きかけるピンチで、森下の直球は切れ味が増した。1ー0の3回2死一、二塁では、3番阿部に全球真っすぐ勝負。2ボールから152キロ、153キロでファウルをとって追い込むと、最後は渾身(こんしん)の151キロで空を切らせた。4回2死二、三塁では、次打者大野雄でも満塁策は取らずに京田と勝負。カットボール2球で追い込み、直球で空振り三振を奪った。「1点を守ろうと思って行きました」。直球で中日の流れを断った。

中盤までは中日大野雄と根比べのような投手戦となった。「本当にいい投手ですし、対戦するのを楽しみにしていた」。中盤までは対照的な内容。2回から5回まで毎回のように走者を背負う森下に対し、大野雄は5回まで3度3者凡退とテンポいい投球を続けた。

苦しみながらピンチをしのぐと、6回に打線から5得点の大量援護をもらった。佐々岡監督は「3アウト目がそういう形(三振)になれば打撃陣もリズム良く乗っていけるところもあったと思う。打たれながら粘り強く投げられたと思います」と得点を呼ぶ熱投をたたえた。

5回まで92球を要しながら7回を108球にまとめ、6安打無失点で6勝目を手にした。「カープに来て、初勝利してもらいたいと思ってマウンドに上がりました」。手にしたウイニングボールは試合後、加入2試合目の移籍後初勝利となった秋山にプレゼントした。

白熱した投手戦を制しても、試合後は涼しい顔で振り返る。「ゼロで抑えることができたので、最後まで投げたかったなという気持ちはあったんですけど、何とか7回まで投げることができて良かったです」。今季投球回110回は12球団最多。自身2連勝で、前回巨人戦から連続無失点を15イニングに伸ばした。猛暑が続く中、クールな右腕が調子を上げている。【前原淳】

▽広島佐々岡監督(秋山加入後初勝利に) チームが勝つことが一番うれしいと思います。よく声も出ていますし、しっかり体を動かしながら若手の手本となるような、本当に素晴らしい選手だなと。

○…夏男だ。ライアン・マクブルーム内野手が値千金の11号3ランを放った。1-0の6回。1死一、三塁から中日大野雄の初球低め真っすぐを捉えると、広いバンテリンドームの左中間席に放り込んだ。7月は7試合で4本塁打、打率4割2分3厘。打撃上向き傾向の助っ人は「別に何かを変えたわけではないですし、毎日同じ気持ちで打席に入っているだけ。調子が良い時もあれば悪い時もある。毎日続ける努力をしています」と冷静に振り返った。

○…小園海斗内野手が先制打と4号2ランで大野雄を攻略した。2回1死一塁から浮いたカットボールを左中間へ先制三塁打。リードを4点に広げた6回は失策で出塁した走者を一塁に置き、今度はツーシームを右翼席にたたき込んだ。9回の左前打で今季8度目の猛打賞。3安打3打点も、先制打直後のけん制死に「実力のないまま出させてもらっている。練習していって、レベルを上げていかないといけないと思っています」と猛省した。

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