中日からトレードで加入したばかりのオリックス石岡諒太内野手(30)が攻守に活躍し、大勝を導いた。地元神戸で輝いた

移籍2試合目にして「1番左翼」で初スタメン。まず、2回の守備で山口の左翼線への飛球を倒れ込みながら好捕した。大拍手を浴び、その裏の勝ち越し点を呼び込んだ。追加点がほしい5回は先頭で左翼線にライナーを放ち、移籍初安打となる二塁打。6回も1死から内野安打で、安打はともに得点につながった。背番号「00」のユニホームがまだ間に合わず、清田打撃投手から借りた「112」が天然芝に輝いた。

人生初のお立ち台で「ニックネームはエヴァです」と笑わせた。中日時代、力強い走り方がアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の初号機に似ていると言われ、じわじわ定着。見たことのなかった全作品もわざわざ見て“研究”した。打撃のレガースを初号機と同じ紫と黄緑にし、登場曲も中日時代の「残酷な天使のテーゼ」を持ち込んだ。

プロ入りした16年、最初のキャンプを腰の手術で全休。その後育成契約も経験し、6年目の昨年、ようやく初安打した苦労人。今季からミート力を生かすスイングに変え、中日で3番に抜てきされるなど30歳でブレークの兆しを見せた。中嶋監督は「大きな刺激になる」と波及効果にも期待する。

チームはまだ5位にいるが、首位とは5・5ゲーム差。昨季王者にとって、石岡は追走への重要パーツになるかもしれない。【柏原誠】

◆石岡諒太(いしおか・りょうた)1992年(平4)5月25日生まれ、兵庫県出身。神戸国際大付からJR東日本を経て、15年ドラフト6位で中日入団。2度の椎間板ヘルニア手術を受け、昨年8月に支配下登録へ再昇格。今年はウエスタン・リーグで50試合に出場し、打率3割3分5厘で首位打者に立っている。1軍通算21試合出場、45打数12安打、0本塁打、1打点、打率2割6分7厘。188センチ、92キロ。左投げ左打ち。

 

○…田嶋が4登板連続の白星で5勝目を挙げた。初回に2死から2四球とふらついたが2回から持ち直した。気合満点の投球で8回途中まで1失点。だがイニングを投げきれず「もう眠れないです」と悔しさをあらわにした。JR東日本で1年ともにプレーした先輩の石岡が援護してくれた。「当時から練習を頑張る人だった。うれしかった」と拍手を送った。

○…中川圭がサイクル安打まであと1歩の4安打と大暴れした。二塁打2本に単打、8回には左越えに2号2ランで突き放した。犠打も決めて、大きく今季最多10得点に貢献した3番打者。石岡、田嶋とお立ち台に上がり「今日はできすぎです。後ろに(吉田)正尚さんがいるので、つなぐ意識でした」と満足そうだった。

【関連記事】オリックスニュース一覧