広島長野久義外野手(37)が1軍復帰戦でマルチ安打と気を吐いた。

15日ぶりに昇格し、「6番左翼」で先発。DeNA先発石田から2回に右越え二塁打を放つと、5回も右中間二塁打を記録した。秋山翔吾外野手(34)の本拠地デビュー戦で、もう1人の実力者が存在感を示した。チームは投打がかみ合わずに、連敗で4位転落となった。

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本拠地デビューの背番号9に視線が集まる中、19日ぶりに本拠地に帰ってきた背番号5が存在感を発揮した。再昇格した長野が「6番左翼」で先発出場して、2打席連続二塁打。5回2死までチーム2安打を1人で記録する孤軍奮闘ぶりで、広島打線を鼓舞。何度もリードを広げられながら、粘りの攻撃を呼んだ。

本拠地では4月28日ヤクルト戦以来、75日ぶり先発だった。1軍復帰後初打席となる2回。DeNA石田に追い込まれながらチェンジアップを拾った。チーム初安打となる右越え二塁打。さらに5回は真っすぐをとらえ、右中間を破った。1カ月ぶりの先発で今季3度目のマルチ安打を記録した。

WBC出場、首位打者、最多安打、ベストナイン、ゴールデングラブ賞…。加入効果を期待する秋山と同じような実績を残してきた。初本拠地試合で4打席連続三振スタートとなった広島新人に対して、今年で4年目。広島流は理解している。1軍再合流したこの日は練習前に若手とともに早出特打に参加した。シーズン中でなくても、2軍に合流するときには必ず蓄えていたひげをそり上げる。

今年は開幕から主に代打出場。起用の場面は定まらず、調子を上げるのも難しい状況が続いた。それでも「結果を残せていない自分が悪い」と、6月3日には志願してウエスタンリーグ阪神戦に出場。プロ13年目で“親子ゲーム”も味わった。降格は練習日の翌日に告げられた。2軍では8試合で打率6割9厘を残し、早期復帰を勝ち取った。

投打がかみ合わず、秋山の本拠地初戦も、長野の復帰戦も勝利で飾れなかった。佐々岡監督は復帰した最年長に「結果を出してくれたので、これを継続できるようにしてもらいたい」と期待を口にする。だが、3打席目以降の打席内容、そしてチームの敗戦に、1軍復帰初戦を終えた本人に笑顔はない。数々のものを勝ち取ってきた今でも、求めるのはチームの勝利のみ。まだまだ広島のためにやるべきことがある。【前原淳】

 

○…秋山の本拠地デビュー戦は4打席連続三振に終わった。DeNA石田の前に2打席連続で見逃し三振を喫すると、6回はカットボールに空を切った。8回1死一、二塁もDeNA田中の外角直球に手が出なかった。秋山の日本での1試合4三振は18年4月13日楽天戦以来。4打席連続は初めてだ。佐々岡監督は「まだ4試合目なので。ファームであまり出ていないのを分かった上で呼んでいる。徐々に調子を上げて」と変わらぬ信頼を口にした。

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