全セの阪神岩崎優投手(31)はまさかの「超焦らし投法」で審判まで幻惑した。6回表1死、4番レアードへの5球目だ。右足を上げたまま1秒、2秒、3秒…。球審岩下がたまらずタイムをかけた直後、投球動作を止められず内角足元付近にスローボールをショートバウンドさせた。不敵に笑うレアードに、照れ笑いで返答。「オールスターなので自分も何かと思いましたが、止められてしまいました」と笑わせた。

代替選手としての2年連続2度目の出場。独自の世界観で野球ファンを楽しませた。6回に登板。バッテリーを組んだ巨人小林と話し合い、全14球ストレート勝負を選んだ。2番グラシアルはこの日最速143キロで二ゴロ。3番柳田には初球の外角低め141キロを左翼ポール際席に運ばれたが、4番レアードは焦らした直後に中飛。最後は5番島内を三邪飛に仕留めた。

登板後は球宴初失点シーンを振り返り、「入るとは思いませんでした。入っちゃったって感じで悔しいですね」と苦笑いだ。お祭り舞台でリフレッシュし、後半戦初戦の29日ヤクルト戦からは虎の守護神に戻る。「1試合1試合しっかり勝てるように頑張ります」。打者のみを戸惑わせる日々に再び専念する。【佐井陽介】

◆投手の遅延行為 公認野球規則5・07(c)で、投手の遅延行為に関して定めている。「塁に走者がいないとき、投手はボールを受けた後12秒以内に打者に投球しなければならない。投手がこの規則に違反して試合を長引かせた場合には、球審はボールを宣告する」。以前の規則での基準は20秒。梶本隆夫(阪急)が72年にプロ野球史上初めて適用され、ボールの宣告を受けている。01年の改正で12秒へと短縮された。

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