西武内海哲也投手(40)が、今季限りで現役を引退することが15日、分かった。

今日16日、発表される。03年ドラフト自由枠で巨人に入団。エースとして、通算6度のリーグ優勝に貢献した。最多勝2度、最多奪三振、ベストナインなど、数々のタイトルを獲得。09年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では世界一も経験した。18年オフにFAの人的補償で西武に移籍。今季からは投手兼任コーチを務めたが、40歳を区切りにマウンドに別れを告げることを決断した。

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「やっぱり、子どもたちの笑顔を見たいやんか」。西武内海は、巨人時代の09年1月から始めた「内海哲也ランドセル基金」を今も継続する理由に、笑顔でそう答えた。19年1月までに1412個のランドセルを寄贈。西武移籍後も毎年変わらず、プレゼントを続け、その数は1500個を超えた。

笑顔のために、基準も自らの意思で下げた。当初は奪三振数だったが、13年からは投球回数に変更。西武移籍後は、2軍戦のイニングも加えた。周囲には「現役の間は、見え張りたいやん」と笑いながら説明したが、真っさらなランドセルを手に、目を輝かせる子どもたちの姿を見て、内海自身も笑顔になれた。

「笑顔の輪」は全国へと広がって、宮崎や京都の児童養護施設も訪れた。ここ数年はコロナ禍で訪問するのは難しいが、手紙などでメッセージが届くと、丁寧に目を通し、自らの励みに変えた。「応援してくれる子どもたちのためにも、頑張らんとね」。1500を超える子どもたちの応援を背に受ける内海は、孤独なマウンドでも1人ではなかった。【久保賢吾】

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