ロッテはリーグ単独ワーストとなる今季16度目の完封負けを喫し、再び自力優勝が消えた。

楽天藤平を打てなかった。2回の菅野の左前打のみ。6回途中からは強力リリーフ陣に抑えられた。1安打完封負けは今季3度目の屈辱だ。

守備でも痛恨のミスが出た。5回2死一、二塁で、右翼岡が小深田のフライを見失った。午後6時半ごろ。ナイター照明はついていたが、ちょうど薄暮で、打球が見づらかった可能性はある。とはいえ、完全に打ち取った当たりが適時二塁打になった。走者を背負っても粘り強く投げていた小島は、これが唯一の失点。打線の援護もなく、見殺しにされた。

ベンチの勝負手も空振りとなった。1点を追う7回、先頭の山口が四球を選ぶと、代走で和田を送った。宋家豪の4度のけん制の後、和田は二盗を試みる。だが、外角真っすぐを要求した炭谷は、捕球後、二塁へ好送球。ベテラン捕手の思惑が勝り、球界屈指の俊足は刺された。

仮に盗塁成功なら無死二塁。そこから1死三塁をつくれれば、同点のチャンスは広がっただろう。僅差の終盤にもう1度、打席が回る可能性がある4番を下げてでも1点を取るべく、積極的に動いた。現状を打開しようという意図は伝わってきた。しかし、突破口を開く前に封じられた。

井口資仁監督(47)は「(小島は)いいピッチングをしてました。野手が、ちょっと足を引っ張ってしまいましたね。打つ方は1安打しか打ててない。本当に小島を援護できなかった」と嘆いた。

対戦が少ない藤平だったが、ミーティングは重ねていた。「1打席で終わってるわけじゃないので、攻略していかないといけない。打てる球はいっぱいありました」と、理由にはしなかった。

今カード、初戦は佐々木朗が3本塁打を浴びながらも、松川の逆転打が飛び出し、白星スタートだった。だが、そこから2連敗で負け越し。この日は1安打とはいえ、失点は1点のみだ。勝機が全くなかったとは言えない。9回は相手の守護神・松井裕に簡単に3人で終わった。もちろん、負けるつもりでやっている選手は誰もいない。ただ、あまりに悔しさが残る試合だった。

23日からは本拠地で6連戦が待つ。西武、楽天と上位チームが相手。井口監督は「しっかり1週間、打ち込める時間もあるので頑張っていきたい」と言った。屈辱を、どう生かすか。何もしなければ、CS圏内は離れていくばかりだ。【古川真弥】

▼ロッテが今季3度目の1安打敗戦となったが、4月19日西武戦、同20日西武戦に続き、3試合とも唯一の安打が菅野。シーズンに3度も1人でチームの全安打を記録してノーヒットを阻止したのは、82年山本浩(広島)96年久慈(阪神)13年陽岱鋼(日本ハム)に次いで4人目だ。また、ロッテが1安打負けをシーズン3度以上は、4度喫した東京時代の65年以来57年ぶり2度目。

▽ロッテ小島(6回7安打1失点で9敗目)「ランナーを出す機会が多かったですが、しっかりバッテリーで攻めたり、かわしたりするピッチングができたと思います。もう1イニングは投げなければいけないと思いますし、中継ぎ陣にも申し訳ないです」

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